【CRI時評】米政治家は科学的・理性的な声に耳を傾けよ

2023-01-07 14:45:57  CRI

 「ウイルスの広がりを抑えることにそれほど影響を及ぼさないだけでなく、世界の新規感染者の増加による影響を包括的に評価することにも役立たない」。米国の感染症学の権威機関である米国感染症学会(IDSA)は6日、SNSアカウントに声明を発表し、米国が中国人渡航者の入国制限に異議を唱えた。

 IDSAだけでなく、ここ最近、多くの感染症学者が中国に渡航制限をかける必要はないと口をそろえて訴えている。欧州疾病予防管理センター(ECDC)などの専門機関は、中国からの渡航者に制限措置を課すのは不当だとはっきりと述べた。欧州の500カ所以上の空港を代表する国際空港評議会欧州支部(欧州ACI)も先日、中国に対する入国制限措置を批判した。

 米紙ニューヨーク・タイムズは5日、米国の現在のやり方は2020年初めの中国に対する渡航禁止令と同じで、人種差別的な政策だと指摘した。

 新型コロナウイルスとの戦いは「科学の戦い」だ。だが、米国の中国人渡航者に対する規制政策はその逆だ。

 世界保健機関(WHO)が4日に発表した情報によると、中国国家衛生健康委員会が提供したウイルスの遺伝子データは、現在中国で主流のウイルス株は、他国が提出した感染確認の中国人渡航者のウイルス遺伝子配列と一致しており、新たな変異種や大きな突然変異は発見されていない。

 一方で、米国の現在の新型コロナ新規感染者の40%以上は、すでに主流となっているXBB.1.5によるものだ。そのため、新たなウイルス株の予防は、中国が米国による感染症のリスクを防ぐことであり、中国こそが被害者である。

 感染症対策には科学的精神が最も必要であり、その逆を行くと自分自身が報いを受けることになる。新型コロナ流行から3年間、米政治家は政治的私利、党派的争いに夢中になり、「消毒液注射で新型コロナを殺せる」という反知性的な言論を売りつけ、真実を語る科学者を抑圧し、科学と理性の精神を踏みにじったことを人々は覚えている。

 米国は昨年12月以降、呼吸器合胞体ウイルス(RSウィルス)、新型コロナウイルス、インフルエンザの3つの流行に直面し、医療システムがほぼ崩壊している。これに対し、米政府はいかなる全国的な行動も取らず、「マスク令」も実施せず、国民の生命の健康にはこれまで通り無関心だった。だが、中国が感染症対策を最適化するのを見ると、米政府は突然元気になり、他国に責任をなすりつけ、中国を中傷して封じ込めようとする意図があからさまになった。

 政治的操作に夢中になっている米政治家は、この3年間で反科学が米国民に大きな代価を払わせたことを忘れてはならない。1億人以上が感染し、108万人以上が死亡し、25万人の新型コロナ孤児が生まれただけでなく、アジア系の人々に対する人種差別と憎悪も煽り立てられるなど、米社会に大きな亀裂が入った。

 防疫が一敗地にまみれたのに、米政治家は自らを欺き、科学を踏みにじり続けるのだろうか。彼らがあくまでも反科学の道を突き進むなら、それは米国民に対する犯罪であり、必ずや科学の罰を受けるだろう。(CRI論説員)

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