【CRI時評】英国がチャゴスの帰属問題を解決し、次にはマルビナス問題を直視することを期待

2023-01-04 16:04:41  CRI

 2023年の新年初日、インド洋中部に位置するチャゴス諸島の住民に朗報がもたらされた。モーリシャスの首相が、係争中のチャゴス諸島の領有権問題について英国と交渉を開始したと発表したのだ。このことは、チャゴス諸島のモーリシャスへの復帰を推進するプロセスが正式に始まったことを意味する。国際社会は、英国がチャゴス諸島の帰属問題を解決した次に、マルビナス諸島(英国側呼称はフォークランド諸島)の問題を直視し、アルゼンチンとの交渉を早期再開することを強く期待している。

 英国はかつて欧州列強の一員として、海外植民地を最も多く持っていた。さまざまな歴史的時期に、英国は地球上のほぼ90%の国を侵略した。西側の植民地システムは第二次世界大戦後に崩壊したが、かつての「日の沈まない帝国」は依然としてチャゴス諸島やマルビナス諸島などに居座り、他国の主権を踏みにじり、植民地主義の迷える夢を見てきた。

 まずチャゴス諸島を見てみよう。チャゴス諸島は本来、アフリカ沖合いの島国であるモーリシャスの領土だった。英国は1965年、モーリシャスが独立を勝ち取るための付加条件として、チャゴス諸島を分割して「英領インド洋地域」にして、適切な時期に返還すると表明した。しかし英国はその後、年月が経過しても返還しなかった。そして、チャゴス諸島の最大の島であるディエゴガルシア島を米軍に貸与した。米軍はディエゴガルシア島にインド洋最大の軍事基地を建設した。

 国連国際司法裁判所は2019年2月、英国のチャゴス諸島選挙は違法であるとの判断を示した。同年5月には国連総会で、6カ月以内にチャゴス諸島をモーリシャスに返還することを英国に求める決議が、圧倒的多数で採択された。2021年1月には、国際海洋法裁判所が「英国はチャゴス諸島の主権を有していない」との判断を示した。英国は国際社会や自国内の反植民地主義グループの圧力に押され、国連が示した「期限」から3年以上遅れた2022年11月になり、チャゴス諸島の領有権についてモーリシャスと交渉すると表明した。

 マルビナス諸島に関しては、国連総会が1965年に2065号決議を採択し、同諸島の問題を「脱植民地化」の範囲に入れ、英国とアルゼンチンの両国に対して、交渉による紛争解決を勧告した。国連大陸棚限界委員会は2016年、マルビナス諸島がアルゼンチンの領海内にあるとの判断を示した。国連の非植民地化特別委員会は、英国政府にアルゼンチンとの交渉を促す決議を30回以上も採択してきた。英国側はこれらに耳を貸さず、国連安保理常任理事国であるにもかかわらず国連決議を公然と破りつづけた。

 植民地主義は人類文明史における傷跡であり、21世紀の今日、居座る場所はもはやない。サッカーのカタールW杯では、アルゼンチンのサッカーファンが祝賀の歌を歌う姿が、ソーシャルメディアで流れた。その歌詞には「アルゼンチンはマルビナスを忘れない」との一節があった。英国側が、チャゴス諸島の帰属問題を解決した次にはマルビナス諸島の問題を直視し、同諸島をアルゼンチンに返還するための交渉を早急に再開することを期待する。(CRI論説員)

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