【観察眼】生物多様性の保護 中国の努力は実績を上げている

2022-12-19 15:06:39  CRI

 国連の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)の第2部が19日、カナダのモントリオールで閉幕した。12月7日から18日まで、「チャイナコーナー」では26のイベントが開催され、「雲南の日」、「広西の日」、「浙江の日」、「江西の日」、「四川の日」など、テーマ別のキャンペーン日が設けられ、朝から晩まで多くの参加者でにぎわった。

 メキシコの生態専門家アベラド・ロサス氏は、「中国の環境保全の進展を知る機会を得られてうれしい。毎日多くの中国の専門家がここで説明を行い、大量の写真などの資料を用い、中国が生態保全の取り組みを詳しく説明してくれた。おかげで、より多くの希少な動植物に親しみ、私たちが愛する自然をより深く理解できるようになり、感謝している」と語った。

 会期中、長年にわたる生物多様性保護への中国の貢献が注目された。中国では重要な陸域生態系の90%と74%の野生動植物が保護され、300種以上の希少で絶滅の危機にある野生動植物の野外個体群数が回復・増加している。海南テナガザルは、世界20種のテナガザルの中で唯一、個体群数が回復した種となった。雲南省の高黎貢山国家級自然保護区では希少種のマーブルキャットが生息・繁殖しており、ジャイアントパンダ国家公園のブン川園区では絶滅危惧種のユキヒョウの姿が確認されている。

 COP15第1部会議からのこの1年間、中国は率先して15億元を拠出し、昆明生物多様性基金を設立し、さらに、三江源やジャイアントパンダなど、初の国家公園を正式に設立した。これらの措置により、トキの個体数は9000羽余りにまで増加した。長江スナメリについても出現頻度が著しく増加、また、1万匹のチベットカモシカが疾走する壮観な光景が再現された。これらの光景は、中国の実践の有効性を世界に証明し、世界にも希望を与えるものだ。

 会期中、190以上の締約国の代表者が「ポスト2020年の世界生物多様性枠組み」(以下「枠組み」)について協議した。会議で期待される重要な成果は、この「枠組み」が今後10年、あるいはより長い期間における世界生物多様性ガバナンスの青写真を策定することだ。また、「枠組み」の達成に向けた中国の努力も同様に高く評価されている。

 今大会の議長国として、中国側はすでにCOP15の議長団会議を40回近く開催し、条約事務局と共にジュネーブ、ナイロビなどで4回の「枠組み」作業部会会議を主宰し、「枠組み」協議を推進するために重要な努力を行ってきた。

 世界自然保護基金(WWF)のマルコ・ランベルティーニ事務局長は、「中国は各方面と接触し、見解の相違を理解して解決し、野心と実務的なバランスを兼ね備えた『枠組み』の達成に向けて努力している」と述べた。

 2010年に名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議第10回会合では、「生物多様性保全のための愛知目標」が採択され、生物多様性の喪失を食い止めるための効果的かつ緊急の行動が各国に求められた。しかし10年以上が経過した今、世界の陸地と海洋の保護面積はそれぞれ5%と4%しか増えておらず、当初の目標を大幅に下回っている。こうした中、「2030年までに各国が世界の陸地と海洋の少なくとも30%を保護すること」といった目標がしばしば言及されるなど、「枠組み」への世界の期待が高まっている。

 カナダ放送協会(CBC)は、新たな計画が必要なのは、これまで「愛知目標」が達成できず、世界がより良いモニタリングと資金調達のための新たな協定を必要としているためだと報じている。中国は「愛知目標」の教訓を生かし、目標の達成を重視し、「枠組み」が国民に確実に恩恵をもたらすよう努力する。「枠組み」は、各国の共同協議と利益の共有を体現するものであり、異なる国家間のコンセンサスを拡大するものだ。

 国連の「生物多様性条約」採択から30周年を迎え、野心と実務的バランスを兼ね備えた「ポスト2020年世界生物多様性枠組み」の採択と推進は、世界の生物多様性ガバナンスのプロセスを大きく推進し、一里塚的意義を持つ。この点について、ロイター通信は、2015年の「パリ協定」に匹敵する重要な意味を持つとコメントしている。(CMG日本語部論説員)

 

 

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