87年ドラマ『紅楼夢』の音楽的魅力

2022-12-17 21:05:10  CRI

 1987年、CCTVの古典小説『紅楼夢』を原作にした同名テレビドラマは放送されるや否やセンセーションを巻き起こし、演技、衣装、音楽のいずれにおいても、中国ドラマ史上の模範作といえるほど、多くの視聴者に愛されました。劇中の『枉凝眉』など13曲の挿入歌はその優美な中国の味わいで多くの観客を魅了し、今も広く歌われています。今週の中国メロディーはその中から3曲をピックアップして、美しい音楽とともに中国の古典作品『紅楼夢』の魅力を感じていただきましょう。

中国テレビ音楽史における絶妙な一章

 1980年代、中国の文化界は改革開放以来の文化創作の繁栄期を迎えていました。ドラマ『紅楼夢』はこの時期に生まれた代表作です。同ドラマの13曲の挿入歌はメロディーも節回しも中国の趣の美しさに満ちていて、「中国テレビ音楽史における絶妙な一章」と称賛されています。その13曲はすべて作曲家の王立平さんが1人で4年以上の歳月をかけて書き上げたものです。

 王立平さんは中国音楽界で快作と質の高さで知られる優秀な作曲家ですが、ドラマ『紅楼夢』の挿入歌の制作依頼を受けてから最初の1年以上は、なんと1音も作ることができなかったといいます。その間、彼は『紅楼夢』の世界にどっぷり浸かり、原作を推敲したり、人物の運命に一喜一憂したりと、狂気に近い状態になっていました。美しい音楽作品はこうして誕生したのです。

悟って生まれた『葬花吟(花を葬る唄)』

 ドラマ『紅楼夢』の挿入歌を作る過程で、王立平さんは『葬花吟(花を葬る唄)』を作るのに最も時間がかかったと言います。歌は、ヒロインの林黛玉が花塚を作って落花を埋めた際のエピソードを表現しています。王立平さんは「最初は、なぜ曹雪芹がこんなに多くの感情を込めてこのプロットを描いたのか、ずっと理解できなかった。ある日、『天の果てに、花塚はあるのだろうか』この句を読んだ時、突然分かった。これは落花を葬ることを描いたのではなく、一人の少女が自分の運命の不公平を神様に問いかけているのだと、ふと悟ったのだ!途端に創作のインスピレーションが湧いてきて、『花を葬る唄』の最後に、太鼓の音を入れた」と語りました。曲中のドンドンドンと重たい太鼓の音は、主人公の強い情感を表現しています。原作の詩の味わいと歌を見事に融合させ、心を揺さぶる効果に圧倒されます。

これこそ紅楼夢の世界の音だ

 4年の歳月をかけて『紅楼梦』のすべての挿入曲を完成させた後、王立平さんはピアノの上にうつぶせになって号泣し、涙が止まらなかったといいます。王立平さんはやっと『紅楼梦』の世界から人間界に戻ってきたのです。

 1987年、テレビドラマ『紅楼梦』が初めて公開放送され、美しいメロディーが感動的な歌声とともに流れてくると、人々の目の前に黛玉、宝玉など多くの紅楼夢の人物が本の中から出てくるのを見たようでした……監督の王扶林さんは「これこそ紅楼夢の世界の音だ」と感嘆しました。

番組の中でお送りした曲

1曲目 枉凝眉(悲しいでも始まらない)

 『紅楼梦』の挿入歌の一つとして、作曲家・王立平さんが1年2カ月かけて制作したものです。歌は紅楼梦の男女主人公である賈宝玉と林黛玉の愛の理想がついに破れ、林黛玉が涙ながらに亡くなる時の悲情を歌っています。

2曲目 葬花吟(花を葬る唄)

 ヒロインの林黛玉が花塚を作って落花を埋めた際のエピソードを表現しています。

3曲目 聡明累(知恵負け)

 『紅楼梦』に出てくるもう一人の主要女性登場人物である王熙鳳が、聡明で権謀術数に長けているのとはうらはらに、貪欲さから家を滅ぼしてしまう悲劇的な末路を描いています。

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