【CRI時評】生物多様性保全は「パリの時間」を待ち望む

2022-12-17 11:39:26  CRI

 パリ協定が世界の気候変動対策の一里塚だとすれば、現在開催中の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)は、もう一つの「パリの時間」をつくることが各方面から期待されている。

 習近平国家主席は15日夜、カナダのモントリオールで開かれたCOP15第2部ハイレベル会合の開幕式にビデオで挨拶し、「人間と自然の調和・共生をともに推進し、地球生命共同体をともに建設し、清潔で美しい世界をともに建設しよう」と呼びかけ、この目標の実現に向けて4つの提案を行った。これは中国がCOP15の議長国として、世界の生物多様性ガバナンスを推進するために行った最新の取り組みだ。国連生物多様性条約事務局のエリザベス・マレマ・ムレア事務局長は、習主席の挨拶は現在進行中の「ポスト2020年世界生物多様性枠組」交渉を導く力強いものだと述べた。ムレア事務局長は大会が期待通りの成果を上げたと楽観的な見方を示した。

 現在、生物多様性は2つの「機」に直面している。1つは「危機」の「機」だ。過去100年間の人類活動がもたらした種の絶滅は、自然絶滅の百倍以上のペースで進んでいる。国連のグテーレス事務総長は、2030年までに世界の生態系の退化により年間3兆ドルの損失が生じると試算されていると述べた。2つは「機会」の「機」だ。COP15の最重要目標は、「ポスト2020年世界生物多様性枠組」の策定と採択だ。実現すれば、今後10年、さらにはそれ以上の期間の生物多様性保全の目標を設定し、道筋を明確にし、「歴史的な機会」をつくり出すことになる。こうした背景から、COP15はテーマを「生態文明:地球上すべての生命が共有する未来を築く」とした。それは、習主席が2年連続でCOP15において語ったキーワードでもある。

 先ごろ開かれた中国共産党第20回全国代表大会では、中国式現代化建設を全面的に推進することが強調された。そのうち、「人間と自然の調和・共生」は中国式現代化の5つの基本的特徴の1つである。挨拶の中で習主席は、「中国は今後、生態文明の建設を持続的に強化し、国連生態系回復の10年といった行動計画に呼応し、多くの生物多様性保護・修復重要プロジェクトを実施し、生物多様性国際フォーラムの開催を検討・支援し、発展途上国にできる限りの支援と援助を提供する」と述べた。これらの行動は自国の現代化建設に焦点を当てるだけでなく、他国との共同発展を助けることにも着目している。アフリカ炭素取引所のウェズリー・ダグラス取締役は、「中国は人類運命共同体の構築を推進する高みに立ち、世界の生物多様性ガバナンスに深く関わっている」と述べた。

 中国の積極的な調整と推進のもとで、各方面は決意と行動力を示し、「ポスト2020年世界生物多様性枠組」の採択をともに推進し、世界の生物多様性保護に「パリの時間」をもたらし、地球生命共同体の共同建設のために良いきっかけを作るべきだ。(CRI論説員)

ラジオ番組
KANKAN特集