【観察眼】平和へのあこがれと堅守を呼びかける

2022-12-13 22:20:28  CRI

 今年は南京大虐殺の発生から85周年だ。85年前、中国を侵略した日本軍が南京を攻略し、30万人を超える中国の一般市民が惨殺された。これは中華民族の痛みであるだけでなく、全人類が忘れてはならない記憶でもある。世界各地の平和を愛する人々は長年にわたり、犠牲者をしのぶ記念行事を絶え間なく行ってきた。

 米サンフランシスコ・ベイエリアの華人華僑と各界の人々は26年連続で、南京大虐殺の犠牲者を追悼する行事を行ってきた。カナダのオンタリオ州は毎年の12月13日を「南京大虐殺犠牲者記念日」と定め、西側諸国の一地域として初めてこの記念日を設立した。2017年の南京大虐殺発生80周年に当たり、米紙ボストン・グローブは「南京を人々の記憶から消してはならない」と題する記事を掲載した。

 南京大虐殺を引き起こした国である日本にも、平和を守るために奔走する多くの一般人がいる。日本の民間反戦合唱団「紫金草合唱団」は、組曲「紫金草物語」を歌い継ぐことで、長年にわたり南京大虐殺の真実を世界に語りかけている。日本の高校や大学の教員らで構成する民間団体「高大連携歴史教育研究会」は、「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」などを日本の教科書に記載するよう呼びかけてきた。日本軍による中国侵略の真相を暴き出す史料を17年間にわたって収集し続けている愛知県円光寺の住職である大東仁氏が、南京に代わって収集し、無償で寄贈した史料は4500点を超えている。

 今日は中国の9回目の南京大虐殺犠牲者国家追悼日だ。中国が犠牲者のために追悼式典を行うのは、憎しみを引き継ぐためではなく、むしろその逆で、一人一人の善良な人々に平和へのあこがれと堅守を呼びかけるためである。中国共産党中央政治局の蔡奇常務委員が追悼式典で述べたように、歴史の苦難は忘れてはならず、前進の歩みは決して止まることはない。中国は常に断固として歴史の正しい側に立ち、人類文明の進歩的な側に立ち、人類運命共同体の構築を推進するためにより大きな貢献をしていく。

 現在、戦火は既に収まったが、我々が直面している問題は複雑化し深刻化する一方だ。低迷し続ける世界経済、人類を脅かす感染症のパンデミック、環境問題、エネルギー問題、テロリズム、サイバーセキュリティ、食糧安全保障などなど。世界各国の人々は運命共同体として、このような時期にこそ手を携えて共に立ち向かう必要がある。未来がどこに向かおうと、平和と発展は不変のテーマである。

 タイのバンコクで行われた先の中日首脳会談で、習近平国家主席は「中日両国は近隣同士で、アジアと世界の重要な国でもあり、多くの共通した利益と協力の余地を有している。中日関係の重要性は変わっておらず、変わることもない」と述べていた。両国は来年、「中日平和友好条約」締結45周年を迎える。日本が中国と共に、条約に定められた初心と使命を深く心に刻みつけ、世界の平和と安定の擁護、各国の協力の推進のために知恵と力で貢献していくよう期待している。(CMG日本語部論説員)

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