北京
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このほど発表された「新時代における中国・アラブ諸国協力報告」を開くと、「初の」という言葉が頻繁に登場する。地理的に遠く離れた中国とアラブのつながりの緊密さに感心させられる。
中国の人々はアラブに親近感を持っている。アラブ文明の平和をあがめ尊び、寛容を提唱する理念が、中華文明が提唱する「和をもって貴しとなす」「和して同ぜず」という理念と相通じるからだ。
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会が開幕する前、西側の一部政治勢力は「人権」の旗を掲げていわゆる「外交ボイコット」を鼓吹した。中国は断固としてカタールを政治面で支持し、各種ルートを通じて同国のW杯開催に声援を送り、スポーツの政治化に断固反対した。
中国とアラブの間で政治面での支持が欠けたことはこれまで一度もない。
2022年2月、北京冬季五輪が予定通り開催された。少数の国がボイコットを叫ぶ中、エジプト、アラブ首長国連邦、カタールなどの指導者が訪中して冬季五輪の開会式に出席し、行動で中国への支持を示した。
2022年8月、ペロシ米下院議長が台湾を訪問すると、アラブの全22カ国が「一つの中国」原則を重ねて言明し、うち18カ国の政府が中国支持を表明した。
2022年10月、米国など西側の国が第51回国連人権理事会の会期中に新疆問題を巡り討議を求める決議案について働きかけると、アラブ諸国は正義の側に立ち、断固として中国を支持した。
中国はこれまでに、アラブの12カ国およびアラブ連盟と戦略的パートナーまたは全面的戦略パートナーシップを結んでいる。
「この信頼は確固不抜で、金では買えないものだ」。2016年1月に習近平国家主席がアラブ連盟本部での演説で発したこの言葉は、中国とアラブの友情の真理を言い表している。
2008年に四川大地震が発生すると、サウジアラビアは即座に中国に対し現金6000万ドル余と救援物資を届けた。アラブ諸国で新型コロナが流行した際には、中国は延べ100人近くの医療専門家チームを派遣し、エジプトと協力してアフリカ初の新型コロナワクチン共同生産ラインを立ち上げ、ヨルダン、シリア、レバノンのパレスチナ難民にワクチンを提供した。中国がアラブ諸国に提供した新型コロナワクチンは2022年10月時点で3億4000万回分を超えている。
「互いに見守り助け合い、運命を共にする」とは何かを、中国とアラブ諸国は行動で証明した。
中国とアラブは、シルクロードによって相知り相交わり、「一帯一路」を共同建設する天性の協力パートナーだ。中国はこれまでに、アラブの20カ国およびアラブ連盟と「一帯一路」共同建設の協力文書に署名している。
エジプトの「総合持続可能エネルギー戦略2035」、サウジアラビアの「ビジョン2030」、カタールの「国家ビジョン2030」などのアラブ諸国の発展戦略が、中国の「一帯一路」イニシアチブと深く結び付いていることは、中国とアラブの協力には、多種多彩な歴史を持ち、活力にあふれる今があるだけでなく、期待に値する未来があることを意味している。
中東は豊饒(ほうじょう)の地であり、人類の歴史における「文明の高地」だが、長期にわたる紛争や動乱により、世界の人々の目には「安全の窪地」に映っている。中東はどうすべきか。
中東問題の核心であるパレスチナ問題を巡り、習主席は国連「パレスチナ人民連帯国際デー」記念大会に10年連続で祝電を送っている。中国はさらに、中東の安全と安定の実現に向けた五つの提案、シリア問題の政治的解決に向けた四つの主張、パレスチナとイスラエルの「二国家解決」実現に向けた三つの構想を示した。今年9月に開催された第158回アラブ連盟外相理事会は採択した決議で、「アラブの事業を支持し、地域の危機の平和的解決を求め、国際および地域の平和と安全を促進する中国の外交努力」を称賛した。
米プリンストン大学が2021年10月から2022年4月にかけて、イラク、ヨルダン、レバノンなどのアラブ9カ国で実施した世論調査で、人々の中国に対する好感度は米国を上回った。
年末を迎え、中国とアラブ諸国の交流は再び盛り上がりを見せ、人々は中国とアラブの協力が新たな段階に入ることへの期待に満ちている。あるアラブの詩人はかつてこう述べた。「太陽の方を向けば希望が見える」。常に太陽の方を向き、互恵・ウィンウィンの中国とアラブ諸国の協力は、世界にさらに多くの希望をもたらすに違いない。(CRI論説員)