【観察眼】中国とモンゴルの経済貿易協力強化は必ず両国民の福祉を増進

2022-11-29 09:20:30  CRI

 

 モンゴルのフレルスフ大統領は、習近平国家主席の招きに応じ、11月27日から28日まで中国を公式訪問した。今回の訪問はフレルスフ氏が昨年6月に大統領に選出されてから初の訪中となる。訪問期間中、習主席はフレルスフ大統領と正式な会談を行い、協力文書の署名に立ち合った。また、中国の李克強総理や栗戦書委員長もそれぞれフレルスフ大統領と会談した。これを契機に双方の戦略的相互信頼と実務協力はさらに深化し、中国・モンゴル関係を新たな段階に引き上げることになる。

 中国は18年連続でモンゴルの第1位の投資先国と貿易相手国となっている。両国の貿易総額はモンゴルの対外貿易総額の60%以上を占めている。フレルスフ大統領の今回の訪問は、中国とモンゴルの経済貿易協力の一層の深化にとって間違いなく重要な意義がある。

 モンゴルは中国と「一帯一路」を共同建設したパートナーであり、「一帯一路」構想を最も早く支持した国の一つでもある。今年11月25日にモンゴルのズーンバヤン・ハンギ間の226.9キロ鉄道路線が8カ月をかけて開通した。同鉄道路線の開通・運営により、年間輸出入貨物能力は2000万トン増加し、鉄道輸送総量は65%増となり、国際市場との距離は242キロ短縮され、輸送時間とコストが節約される。モンゴルのオヨーンエルデネ首相は開通式で、今日のようなペースで鉄道が建設されれば、近い将来、モンゴルの1人当たりのGDPは1万ドルを超え、国民生活の質は大幅に向上するとの見通しを示した。

 また、今年10月には「一帯一路」戦略の指導の下、モンゴル南部のウムヌゴビ県にあるタバントルゴイ(Tavantolgoi)炭鉱から中国内モンゴル自治区アルシャー盟のガシュンスハイト(Gashuunsukhait)通関所までの鉄道が開通し、正式に運行を開始した。同鉄道は全長240キロ、中国・モンゴル両国にとって2本目の鉄道ルートであり、鉄道が運行を開始すれば、同路線の石炭年間輸出能力は1500万トンから2000万トンに達し、モンゴルの石炭輸出収入は2倍になり、輸送コスト・価格は従来の4分の1に下がる。これと同時に、鉄道はモンゴルに新たな仕事と発展のチャンスを生み出す。モンゴルに約2000人の雇用を創出し、毎年4000万ドル以上の税収増になるとみられている。また、同鉄道の開通により、牧草地の劣化や大気汚染などの環境問題を緩和し、生態環境破壊後の二次災害の発生を大幅に減らすことができる。

 モンゴルは中国の最も重要な隣国の一つであり、両国は4700キロ以上に及ぶ国境線を有している。この長い国境線の上で、モンゴルとの国境の街であるエレンホト重点開発開放試験区を代表とする13の陸路国境口岸は、モンゴルの「草原の道」といった発展戦略を連結する重要な節目として、中国・モンゴル両国の経済貿易、文化交流、民間往来の「相互接続」の窓口であるとともに、中国・モンゴル・ロシア経済回廊の重要な拠り所でもある。報道によると、2013年に中国とモンゴルの農産物「グリーンルート」が開通して以来、今年10月末現在で両国間の最大の陸路通関地であるエレンホト通関地がモンゴルに輸出している果物と野菜の品種は20数種類に達し、モンゴルへの果物と野菜の輸出量は累計41万トン、商品価値は5.1億元に達し、モンゴルの果物と野菜の消費需要の80%を満たすことができるという。

 交通路線と経済回廊建設に関する協力プロジェクトが推進され、中国とモンゴル間の物流速度が加速し、大口商品、特に鉱物とエネルギー製品の輸送能力が大幅に向上した。中国とモンゴルは中国・モンゴル・ロシア経済回廊の建設を大いに推し進め、モンゴルの多くの新鉄道路線が中国の通関地と連結し、中国とモンゴルの経済貿易の成長を力強く支えている。2021年には中国・モンゴル両国の貿易額は初めて100億ドルを突破した。

 現在、百年の変局は加速し、進化し、新型コロナ感染症のリバウンドが繰り返され、地政学的情勢が緊迫し、世界の金融、経済、エネルギー、食糧など複数の危機が重なっている。この背景の下で、中国とモンゴルの経済貿易協力が勢いに逆らって増加していることは、中国とモンゴルの間で「一帯一路」構想と「草原の道」「グローバル発展イニシアチブ」「新復興政策」が積極的に結びつけていることの最も直観的な体現である。中国とモンゴルが経済貿易協力を強化することは、全面的な戦略パートナーシップをさらに固め、発展戦略の結びつきを促進し、両国人民の福祉を増進するに違いない。(日本語部論説員)

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