中国の国宝級女性指揮者 鄭小瑛~第2弾~

2022-11-27 11:10:01  CRI

 鄭小瑛さんは中国初の女性シンフォニー指揮者で、中央歌劇院首席指揮者、中央音楽学院指揮科の学部長を歴任しました。今回の中国メロディーは引き続き鄭小瑛さんの音楽世界をご紹介します。

「鄭小瑛モデル」が誕生

 鄭小瑛さんは多くの聴衆に愛されたのは、その緻密で繊細な指揮スタイルが魅力的であるだけでなく、聴衆に対する情熱が大きかったからです。ステージ上では聴衆に背を向けて指揮を執るのが一般的ですが、鄭小瑛さんはこの伝統を破り、演奏前に聴衆に向けて作品の背景や感情などを説明する「鄭小瑛モデル」を確立しそれが人気を集めています。

 1970年代末、鄭小瑛さんは交響楽団を率いて工場へ公演しに行ったことがあります。『椿姫』の悲しい序曲が流れると、客席は騒然としてしまいます。聴衆たちが西洋交響楽を楽しむことができないのを見て、鄭小瑛さんは自分に何ができるだろうかと考えました。そこで、各楽章を演奏する前に彼女は作品の感情表現、演奏楽器などを会場の聴衆に向けて紹介するスタイルを取るようになりました。こうして、公演前に20分説明を入れる「鄭小瑛モデル」が誕生し、聴衆たちの人気を集めました。

詩篇交響曲『土楼回響』

 福建省客家出身の鄭小瑛さんは2000年に初めて父親の故郷である永定にルーツを求めて訪れました。客家文化の象徴と言われる客家の伝統的な建築物・土楼を初めて見て、その壮大な迫力と歴史の深さに圧倒されました。そこで、彼女の企画の下で、作曲家・劉湲さんを招いて創作した詩篇交響曲『土楼回響(土楼のこだま)』が誕生しました。

 2007年、鄭小瑛さんはアモイ・フィルハーモニー管弦楽団を率いて、「音楽の神殿」と呼ばれるベルリン・フィルホールを訪れ、公演を行いました。ベートーベンの故郷であるドイツには、最も耳の肥えた聴衆がいます。しかし結果的に公演は大成功を収め、10分以上もアンコールが続きました。これまで、鄭小瑛さんがアジア、ヨーロッパ、北アメリカなどの12ヵ国で公演してきた『土楼回響(土楼のこだま)』。ベルリン・フィルホール、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場コンサートホール、モスクワのチャイコフスキー音楽ホール、アメリカサンフランシスコのデイヴィス交響楽ホールなど世界の名だたるホールで77回に及び公演、中国の交響楽アンサンブルの海外公演の記録を打ち立てました。

番組の中でお送りした曲

1曲目 黄河船夫曲(黄河船頭曲)

この曲は荒波の中を力強く進む船頭たちの姿を表現することで、中国人民が抗日戦争中に経験した苦難を象徴しています。

2曲目 客家山歌(客家の山歌)

この曲は中国風のシンフォニック作品『土楼回響(土楼のこだま)』の最後の楽章で、客家の人々が団結し、粘り強く奮闘した苦難の道のりを再現しました。

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