中国の国宝級女性指揮者 鄭小瑛~第3弾~

2022-11-27 11:18:56  CRI

 鄭小瑛さんは中国初の女性シンフォニー指揮者。93歳という高齢ながら、シンフォニーの舞台で活躍しています。「いつか、指揮台で倒れるなら、それが一番ロマンチックなことだ」と話したことがあります。今回の中国メロディーも引き続き、そんな鄭小瑛さんの音楽世界をご紹介しましょう。

93歳になっても音楽の舞台で活躍

 93歳のお年寄りの生活をどう想像しますか?テレビを見たり、日向ぼっこをしたりして時間をつぶしたり、病床に横たわりながら、命の終わりを待っているのではないかと考える人が多いかもしれません。しかし、鄭小瑛さんは93歳になっても音楽に忙しい日々を送っています。今年の夏だけでも、アモイ、北京、杭州などの都市で、数回のコンサートを指揮しています。公演が終わるたびに、白髪頭の鄭小瑛さんが元気よく観客たちにあいさつすると、会場からはいつも万雷の拍手が沸き起こります。その拍手は、名演に喝采を送っているだけでなく、93歳への敬意でもあるのでしょう。

20年以上、がんと闘病

 舞台上の鄭小瑛さんは、いつも生き生きとした表情をしています。しかし、想像しがたい事実として、彼女はすでに20年以上もがんと闘っています。1997年、69歳だった鄭小瑛さんがアモイに招かれ、新しい交響楽団を創設しようとしていた時のこと、定期的な健康診断で直腸がんと診断されたのです。鄭小瑛さんは「最初は緊張していた。落ち着いてから、しっかり治療をすることにした。指揮台に戻るのを妨げるものはないと信じていた」と振り返っています。

 その後、4カ月間の入院治療を受け、つらい化学療法で髪の毛はほとんど抜けてしまいました。しかし驚いたことに、退院からわずか1ヵ月後、鄭小瑛さんはエストニアのタリン・ホールの指揮台に立ち、ウィッグをかぶってエストニア国立交響楽団が公演する中国交響楽の演奏会を2回指揮したのです。この時も、中国らしいシンフォニーの魅力を世界に感じてもらいたいと考えていたと言います。

一生、青春

 93歳の鄭小瑛さんは今も稽古、公演、音楽講座などで忙しい日々を送っています。リハーサルに数時間かかることもありますが、彼女は水を一口も飲みません。メロディーが鳴れば、彼女の心も体も楽譜に没頭するからです。アメリカの詩人・サミュエル・ウルマンの『青春とは』という詩は次のようにうたっています

青春とは人生のある期間ではなく

心の持ち方をいう。

バラの面差し くれないの唇 しなやかな手足ではなく

たくましい意志 ゆたかな想像力 もえる情熱をさす

青春とは人生の深い泉の清新さをいう

鄭小瑛さんの生命の泉は、ずっとはつらつと湧き続けています。彼女のように、夢を持ち続ければ、一生、青春なのでしょう。

番組の中でお送りした曲

1曲目 サイネム・ラプソディ

新疆ウイグル古典音楽「十二ムカーム」を素材にアレンジしたもので、祭りの草原でウイグル族の人々が楽しそうに舞う姿を表現しています。

2曲目 北風吹(北風吹けば)

中国北部・河北省に伝わる民謡をもとに作られた曲で、中国のオペラ「白毛女」のメインメロディです。

3曲目 「青春について」

百十年前、オーストリアの作曲家マーラーが中国の詩人・李白の『宴陶家亭子(陶家(とうけ)の亭子(ていし)に宴す)』をもとに作曲した交響曲『大地の歌』の第3楽章『青春について』です。鄭小瑛さんがこの作品を中国語に翻訳し、さらに自ら中央歌劇院交響楽団で指揮し、演奏しました。

ラジオ番組