【観察眼】中日関係にはチャンスと挑戦が共存

2022-11-21 12:04:11  CRI

 タイで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議を前に、日本の岸田文雄首相は11月17日午後、中国代表団の滞在地を訪れ、中国の習近平国家主席と会談を行った。岸田首相は鮮やかな赤いネクタイを締め、今回の会談への格別な気遣いが分かる。

 これは岸田氏が首相就任後、中国指導者と行う初の正式会談で、3年ぶりの中日首脳の公式会談である。これについて、中国外交部の毛寧報道官は17日、「双方が平和友好を堅持し、互恵協力を深化させ、食い違いを適切に管理・コントロールし、新時代の要求に合致した中日関係の構築に共同で取り組むことを望んでいる」と示した。新型コロナのパンデミックの影響で2020年に予定されていた習主席の訪日は実現しなかった。今年、国交正常化50周年を迎えた両国関係だが、より多くの不確実性に直面している。こうした背景の下での首脳会談そのものが、重要な意義を持っている。中日両国は共同で世界に積極的なシグナルを送り、世界第2と第3の経済大国は交流を強化し、関係の発展について共同で協議したいと考えている。これは両国関係の発展の重要なチャンスであり、地域の安定と繁栄にもプラスとなる。

 首脳会談は両国関係の安定と発展について5点の共通認識に達したのに加え、中日の4つの政治文書の原則を共に厳守し、ハイレベルの交流と対話・疎通を強化して、新時代の要求に合致する重要な関係の構築に共同で取り組むことを再確認した。同時に、防衛部門の海空連絡メカニズムの直通電話を早期に開通させ、防衛や海洋関連の部門の対話と疎通を強化することを約束した。両国関係を安定させ、強化する初志に変化はなく、新しい時代にふさわしい内容が加えられた。今回の多国間舞台での二国間外交は、両国関係の今後の発展のために、良いチャンスを創造したものと言える。

 しかし、両国の発展は依然として多くの挑戦に直面している。中国社会科学院日本研究所の呂耀東研究員は、両国関係が直面している課題について、3点を挙げている。1つ目は世界の大変局の影響に由来するもの、2つ目は歴史問題、東海問題、釣魚島問題など、双方の古くからの葛藤、3つ目は東アジア地域の情勢の変化に由来し、特に米日同盟を外交の基軸とする日本は米国から深刻な妨害を受け、台湾問題で何度も不適切な態度を表明したものであると分析している。

 こうした課題について、習主席は岸田首相との会談で発言し、中でもある二つの言葉が注目される。一つは「信」である。「中日双方は誠意をもって接し、『信』をもって付き合い。中日の4つの政治文書の原則を厳守しなければならない」。約束を厳守し、言行一致することは、中国側の関心の焦点であるだけでなく、いかなる国際関係の順調な発展の礎でもある。「信」を基礎にしてこそ、双方は政治的知恵で相違点をコントロールすることができる。もう一つの言葉は「依存」だ。「両国の経済相互依存度は非常に高く、対話と協力を強化し、より高いレベルで優位性の相互補完と互恵・ウィンウィンを実現しなければならない」。2021年、両国間の貿易額は再び最高を記録し、3714億ドルに達した。両国の経済貿易協力は潜在力が大きく、両国民に幸福をもたらすものだ。「信」「依存」という言葉は、両国関係の政治経済両面に対する中国側の期待を表すものである。

 中日首脳会談はわずか40分余りだったが、両国関係の発展に良いチャンスとなるだろう。いかにしてチャンスをつかみ、両国関係の挑戦を適切に対応するか、注目してみよう。(CMG日本語部論説員)

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