【CRI時評】英国はチャゴス諸島の主権巡り交渉する意欲があるからにはマルビナス諸島のことも忘れてはならない

2022-11-08 09:21:42  CRI

 英国のクレバリー外相はこのほど、英国とモーリシャスがチャゴス諸島の主権を巡り交渉を開始することを決定し、来年初めまでに合意に達することを目指していると明らかにした。英国のこの態度表明は、チャゴス諸島の主権紛争の解決に向けた重要な一歩と見なされている。他方で英国は、チャゴス諸島の主権を巡り交渉する意欲があるからには、今なお不法占拠しているマルビナス(フォークランド)諸島を忘れてはならず、マルビナス諸島の主権を巡りアルゼンチンと交渉すべきだ。

 英国はかつて、欧州列強の中で海外植民地が最も多く、さまざまな時期に世界のほぼ9割を侵略したことがある国だ。チャゴス諸島にしろマルビナス諸島にしろ、ともに英国にとって植民地時代の負債であり、かつての「太陽の沈まない国」による植民地主義の原罪の目撃者だ。

 インド洋中部に位置するチャゴス諸島は、アフリカの島国・モーリシャス固有の領土だ。1965年に英国は、モーリシャスを独立させる条件として、チャゴス諸島をモーリシャスから分離して「英領インド洋地域」に変えた上で適時に返還すると言明した。モーリシャスは1968年に独立して以来一貫して、英国にチャゴス諸島の返還を求めてきた。しかし英国は、引き延ばして返還しないばかりか、さまざまな手段を講じて諸島内の住民を強制移住させ、米軍の基地建設を支持した。

 チャゴス諸島の歴史的経緯は明らかであるため、モーリシャスの正当な訴えは国際社会の支持を得た。

 英国がチャゴス諸島の主権を巡る交渉に意欲を示したのは、主に国際社会からの圧力に迫られたためであり、現在の英国の実力と世界的影響力の低下も映し出している。同時に、英国国内の矛盾の激化にも関係している。

 動機が何であれ、英国は植民地主義の負債を返さなければならない。英国がモーリシャスとの交渉を発表したことを受け、アルゼンチンは英国にマルビナス諸島の主権問題に関する交渉を再開するよう改めて求めた。

 チャゴス諸島問題と同様に、マルビナス諸島問題も英国の植民地時代の生きた化石だ。

 英国がモーリシャスとチャゴス諸島の主権を巡り交渉すると表明したのは、国連決議が一定程度実行に移され、国際社会の反植民地主義が進展したことを意味するが、これは始まりにすぎない。今なお植民統治下にある世界の17の非自治地域のうち10が英国の管理下にある。英国はモーリシャスとの交渉でチャゴス諸島の主権紛争の解決に向けた結果を出さなければならないだけでなく、アルゼンチンの交渉要請にも積極的に応じて一日も早くマルビナス諸島を返還すべきだ。21世紀の今日、植民地主義と覇権主義は居場所がない。英国は長年にわたって延滞してきた植民地主義の負債を一つずつ返していかなければならない。(CRI論説員)

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