北京
PM2.577
23/19
ここ数日、友人や同僚と会っても、ウィーチャットで話しても、最初の挨拶はいずれも「支払いは済んだ?」 である。SNS上でも、「晩八人(夜8時に最後の代金を払う人)」「剁手(買い物に夢中になること。これ以上買うと手を切り落とすと自嘲する)」「吃土(お金を使いすぎて食事に土しか食べられないと自嘲する)」など、「双11」関連の多くのキーワードがトレンド入りした。そうだ。中国最大のECショッピングイベント「双11」が例年通りに幕を開けたのだ。
「双11」第1ラウンドのキャンペーンが昨夜12時に終了したのに伴い、各EC大手がすばらしい成績を叩き出した。中国の消費者は再び驚くべき購買力を示した。10月31日午後8時の販売開始から最初の1時間で、アリババ集団傘下の大手ECサイト「天猫(Tmall)」では、102ブランドの売上高が1億元(約20億円)を超えた。10月31日午後8時から11月1日午後12時までに、同じくEC大手の「京東商城(JD.com)」が販売した商品は累計5億5000万点を超えた。コンサルティング大手のベインキャピタルが発表した報告書によると、今年の「双11」の売上高は1兆元(約20兆円)の大台を突破する見込みだ。
「双11」は中国のフェスティバルであるだけでなく、世界的なフェスティバルでもある。先ごろ、31両の車両を詰め尽くしたレゴブロックがドイツのデュースブルクから中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」に乗り込み、ベラルーシ、ロシア、カザフスタンなどを経由して、中国浙江省義烏市に到着した。海の向こうにある米国のアウトレットモールの4000以上のブランドの商品が、初めて中国の物流会社「ツァイニャオ」の専用機で輸送されている。日韓、欧米、豪州やニュージーランドなどの伝統的な「輸入大口」のほか、チリ産赤ワイン、ブラジル産プロポリス、カザフスタン産キャメルミルク、イスラエル製美顔器、エチオピア産ゲシャリーコーヒー、南アフリカ産白ワインなど、世界各地から集まった製品も同様に「双11」の人気商品だ。10月21日の時点で、世界200以上の港から出荷された3億7000万点の輸入品が、チャーター便や貨物船、中欧班列などによって中国の消費者の手元に運ばれる。
14億の人口を持つ中国は、4億人を超える中所得者層による巨大な購買力を有しており、世界で最もポテンシャルのある市場として海外の商品に対する大きな需要を抱えている。昨年の中国国際輸入博覧会に合わせて、筆者が所属する中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)は海外製品のライブコマースを行ったが、閲覧者数は延べ9500万人を超え、売上は約2億元(約40億円)に達した。中でも多くの日本ブランドの商品が発売開始後、即完売となった。また、今年10月28日、中国最南端の省・海南省海口市にある国際免税城の開業初日、来場者数は延べ4万4000人以上、売上は6000万元(約12億円)以上になった。これにより、海南省にある離島免税店11カ所の当日の売上は7億元(約140億円)を超え、1日の売上としては過去最高の約2倍となる数字を記録した。
中国外交部の華春瑩報道官は先日、ツイッターに4枚の写真を投稿し、中国が対外貿易で世界1位、海外からの直接投資の利用で世界2位、海外直接投資で世界3位であり、これまでに4回の輸入博を開催している事実を示した。「1234」からなるこの数字は、中国がハイレベルな対外開放において着実な行動派であることを力強く証明している。
中国の対外開放の縮図とも称される、65年の歴史を持つ中国輸出入商品交易会(広州交易会)は閉幕したばかりである。それにバトンタッチする形で、世界で初めて「輸入」をテーマにした国家級の展示会である輸入博の5回目が明日、幕開けする。
中国の最高指導者である習近平中国共産党中央委員会総書記がこのほど行われた第20期中国共産党中央政治局常務委員による記者会見で述べたように、「中国の対外開放の扉は開かれる一方である」。各国の感染状況が依然として厳しく、世界経済の低迷が長引く中、中国はこれまで通り質の高い発展とハイレベルな開放を推進し、世界各国と発展のチャンスを分かち合い、発展のボーナスを共有し、世界経済の回復に力強い原動力を注ぎ込んでいく。(CRI日本語部論説員)