【観察眼】“中国式現代化”が世界に送るシグナルとは

2022-10-24 17:03:56  CRI

 中国の執政党・中国共産党の第20回全国代表大会が22日に閉幕した。今回の大会は、中国共産党が5年に一度開催する全国代表大会であり、中国共産党が成立100周年(2021年)に際して小康社会の全面的完成という「一つ目の百年奮闘目標」を実現したのに続き、中国人民を率いて富強かつ民主的、文明的で調和のとれた美しい社会主義現代化国家の完成という「二つ目の百年(新中国成立100周年=2049年)奮闘目標」を目指す中で迎えた重要な大会でもある。中国にとって重大な意義を持つだけでなく、世界に対しても深い影響をもたらすとみられている。

 今回の大会では、「中国式現代化」がホットワードとなった。その主な内容には、ハイレベルの社会主義市場経済体制の構築、農村振興の全面的な推進、人民が満足できる教育の実施、科学技術革新の促進のほか、人民が主人公となることを制度面からより良く保障すること、人と自然の調和のとれた共存を促進することなどが含まれている。西洋の現代化と異なり、中国式現代化は、すべての人民が共に豊かになる現代化、発展の中で環境保護を重視する現代化であり、人民の物質面の需要を満たすと同時に精神面の充実を進める現代化、平和発展の道を歩む現代化でもある。これは人類社会の現代化に新たな選択肢を示し、世界各国、特に発展途上国の現代化の実現にモデルを提供した。また、より多くの国が自らの国情に見合った現代化の道を積極的に模索することを励ますものとなるだろう。

 中国共産党は今回の大会で公表した報告書の中で、ハイレベルの対外開放を堅持し、制度型開放を着実に拡大していく方針を明らかにした。これは、中国がより積極的に国際的に通用するルールと連結し、規則・制度、管理、基準などの面で開放を拡大することを意味する。それによって、中国は国内の産業発展を推進し、国際的な循環を通じて国内循環を促し、自国の貿易の競争力を高めると同時に、外国企業のためにより優れたビジネス環境を構築し、グローバル貿易ガバナンスへの参与と推進能力を強化して、地域と世界の経済発展に原動力を注入することになる。

 大会の報告はまた、「中国は世界平和を守り、共同発展を促進するという外交政策を堅持し、人類運命共同体の構築を推進する」と述べている。その中身には、平和共存、全体的安定、均衡的発展を特徴とする大国間関係の構築を推進することや、周辺諸国との友好・相互信頼と利益の融合を深めること、発展途上国との団結と協力を強化し、発展途上国の共通の利益を守ることなどが含まれている。これは、中国が新たな大国間関係の構築を推進し、いわゆる大国間の競争、さらには衝突という罠を避けようとする姿勢を表している。また、中国が多国間主義を実践し、各国と共に公正で合理的な国際秩序を構築したいというシグナルを改めて世界に伝えている。

 中国共産党は中国の発展をどのように計画し、中国はどのような世界づくりを推進しようとしているのか。また、中国式現代化は世界にどのような影響をもたらすのだろうか。今回の党大会はすでに世界に答えを出している。中国式現代化には「私」のみならず、「あなた」も実は参加することになる。それがもたらしてくれる成果を、中国は世界と分かち合いたいと考えている。(CRI日本語部論説員)

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