北京
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中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)が北京市内で開催されています。中国共産党の最高指導者である習近平総書記は大会に対しての報告で、これまでの党大会になかった「全過程にわたる人民民主」の概念を打ち出しました。
「全過程にわたる人民民主」とは簡単に言えば、中国の政治運営の各段階で、人民が法に基づき民主的選挙、民主的協議、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督に参画することです。選挙や投票する時にだけ民主的権利を行使し、投票後は民主が「休眠期」になるのとは違います。
安徽省にある茶館に設けられた「人民代表大会代表話し合い室」
中国では、選挙民が法に基づき人民代表を選出した後、人々は各居住区に設けられた「人民代表の家」や各コミュニティーに設けられた「人民代表連絡所」を通じて自らの意見を反映させ、立法に関する提案を提出することができます。例えば、中国東部安徽省の一部の地方の郷と鎮では、人々がよくおしゃべりに集まってくる茶館に毎月、人民代表大会との交流日が設けられています。茶館には調停室も設けられており、生活上の問題が生じた時、調停を通じて解決することができます。このような中国的民主は中国の知恵が込められています。
今日の中国では政党、人民代表大会、政府、政治協商会議、人民団体、基層(末端組織)、社会組織などによる7通りの協議による民主ルートが形成されています。中国共産党中央は毎年全体会議を開き重要な決定を下す前に、8つの民主党派と商工業連合会と協議せねばなりません。このような民主は「参加型民主」です。また現在は若者の多くがネットユーザーであることを踏まえ、中国では人々が直接参加するネット上の新しい参政モデルが打ち出されました。例えば、第14次5カ年計画が制定される前に、ネットユーザーの意見や提案を聴取するためにインターネット上の窓口が開設され、101万8000件以上の提案が寄せられました。また、中国共産党第20回党大会のような執政党の代表大会の開催に際しては、ネットユーザーから800万件以上の提案が集まりました。(閣、鈴木)