北京
PM2.577
23/19
10月16日は「世界食糧デー」。食糧は国運と民生にかかわるものであり、国家安全の重要な基礎である。中国は人口の多い大国であり、食の問題をうまく解決することは、終始国政運営の最優先事項である。現在、百年の変局と世紀の感染症が絡み合い、中国の経済発展をめぐる環境の複雑さ、厳しさ、不確実性、世界の食糧産業チェーン・サプライチェーンの不確定リスクが増加しているため、しっかりと食糧問題を解決してこそ、中国は外部環境の不確実性に対応できる。
第18回党大会以来、中国の食糧生産力は安定的に向上し、生産量は7年連続で6億5000万トン以上で安定している。2021年の生産量は過去最高の6億8285万トンに達し、1人当たりの食糧占有量は483キロに達し、国際的に公認されている400キロの食糧安全ラインを上回った。基本的な穀物の自給と口糧の絶対的安全を実現している。中国の農業現代化が推進され、食糧の総合生産能力が着実に向上していることは、中国人の食糧安全を確実に守るカギとなる。
農業の自立・自強を実現するには、種子が根本である。データによると、優良種子は食糧生産量を45%-50%増加させるのに貢献できる。高付加価値の種子の背後には、ゲノム編集、合成生物学、人工知能などの最先端ハイテクが凝縮されている。中国では、大量の種子を海外からの輸入に依存する基本的な現状はまだ変わっていない。この「難題」を解決することは、中国農業現代化の最優先任務だ。耕地、水資源などが日増しに逼迫している状況下で、食糧生産力を着実に引き上げる最も主要かつ効果的な方法は、種苗業界から潜在力を掘り起こし、増量することである。ここ数年来、中国は種苗業界の振興を全面的に実施し、作物の優良品種の普及率は96%を超え、自主的に選別育成した品種の面積の割合は95%を超えた。習近平総書記が強調したように、「種子は我が国の食糧安全保障の要である。自分の手で中国の種子を握りしめてこそ、中国の飯碗を安定させ、食糧の安全を実現することができる。」。
中国の国情は人が多くて耕地面積が少なく水が不足している。また、耕地の質が全体的に高くなく、中・下等の質の耕地が70%前後を占め、予備資源が不足している。食糧の安全を安定させるには、耕地の量を確保するだけでなく、耕地の質と農地全体の総合生産能力を絶えず向上させなければならない。つまり、高基準農地の建設を強力に推し進めることは、食糧安全生産力を強固にし、向上させるカギとなる。近年、中国政府が支援政策を打ち出し、資金投入を拡大し、農地のインフラ条件を絶えず改善したことにより、農業の総合生産力は明らかに向上している。2022年までに全国でおよそ6600万ヘクタールの高基準農地が整備され、これによって5億トン以上の食糧生産力を安定的に保障している。また、2035年までに持続的な改造を通じ、全国の高基準農地保有量をさらに高め、国家食糧安全保障の基礎を固めていく。
ここ数年で、中国は小麦と稲の最低買付価格政策を実行してから、高基準農地建設プロジェクト、黒地保護プロジェクトを実施し、より多くの農地を良田に変えた。また、農作物優良品種技術の難関突破を実現し、主要農作物の優良品種の全面的な普及を実現したことから、モノのインターネットやビッグデータなどの現代情報技術によるスマート農業へと発展し、食糧生産効率を全面的に向上させ、食糧豊作を支えた。
食糧が安定すれば天下が安泰である。長年の努力を積み重ねてきた結果、中国は世界の9%に満たない耕地で世界の約四分の一を占める食糧生産量を実現し、世界の五分の一近くの人口を養っている。これは世界の安全・安定した発展に対する最大の貢献である。国連食糧サミット特使のカリバタ氏は、「中国は自国の食糧在庫をうまく管理し、中国人民の食糧供給を保障しただけでなく、世界の人々の食糧安全にも貢献した」と語った。中国の穀倉地帯の基礎をより堅固にすれば、中国人の茶碗を自分の手にしっかりと握りしめることができ、世界の食糧安全を守るために、より大きく貢献することができるだろう。(日本語部論説員)