北京
PM2.577
23/19
米国の「ザ・ヒル」が最近、「対中関税は経済、政治、法律のいずれの面でも失敗した」という記事を掲載し、米国の対中国貿易戦争が年貢の納め時であることを認めた。実際の所、これは初めから決まっていたことで、この4年間に次々と現れた証拠はいずれもそれを証明している。
米国商務省のデータによると、2021年の米国の対中貨物貿易は逆ざやが14.5%増加して3553億ドルに達し、2018年以来最大となった。関連する別の研究では、対中貿易戦争は米国企業に市場価値にして1兆7000億ドルの損失を被らせ、25万人近い雇用が失われ、各家庭の年間平均支出は1300ドル近く増えている。
同時に、米国の政治的な計算も無駄になった。トランプ大統領の計画では、関税という大なたを振るって中国との「貿易戦争」の道を開き、政治、経済、軍事、科学技術などの面での米国の絶対的覇権を擁護しようと考えていた。結果は、こうしたやり口が中国に対してはまったく役に立たなかったことを証明している。
米国の対中関税戦争の命運が尽きたという教訓が非常に深刻なものであることは疑う余地もない。だが、どのようにして教訓をくみ取るかは、ワシントンの政治家の知恵が試されている。
まず、彼らに必ず必要なことは経済の常識や市場のルールを破るという蛮行は通用しないと認識することだ。米中貿易の逆ざやで言えば、これは米国経済に構造的な問題があることの必然の結果であると共に、両国の比較優位性と国際分業の枠組みがなせる技でもある。
次に、いわゆる「ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)」によって導かれる誤った対中政策は自身の問題を解決することにならないということだ。現在、米国のインフレは40年来の最高にまで急騰している。この圧力を受けて、バイデン政権は対中追加関税の取り消しを何度もほのめかしているが、遅々として実施されていない。
これ以外にも、4年余りにわたる対中関税戦争は、国際関係におけるいじめが袋小路に突き当たることを示している。米国の一部の政治家は極限まで圧力をかけることを「交渉術」だと自慢しているが、結果として彼らは、中国は彼らがこれまでに痛めつけてきたどの相手とも異なり、脅しや強制といった手口は一切効かないことを思い知った。
中米の協力は双方に利をもたらすが、争えば共に傷つくことは事実が一度ならず証明してきた道理だ。米国が失敗から教訓をくみ取り、誤ったやり方を正し、これ以上過ちを積み重ねないことを願う。「小さな庭に高い壁」を築けば、閉じ込められるのは自分自身であり、門を開いてこそ、協力とウィンウィンの未来につながることを、歴史はこれまでも、そしてこれからも引き続き証明していくだろう。(CRI論説員)