【観察眼】「新疆カード」を切っても働かない日が来る

2022-10-11 20:45:31  CRI

 今月6日午後、国連ジュネーブ事務局の所在地であるパレ・デ・ナシオンの20番会議ホールは満席だった。国連人権理事会第51回会議の参加者が、米国の主導で提出された新疆問題に関する草案について採決を行い、投票結果がスクリーンに映し出されると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。米国が念入りに“包装”したこの意地の悪い草案は多数の国連加盟国、特に発展途上国の強い反対に遭い、「新疆をもって中国を制する」という企みは再び失敗に終わった。

 米国をはじめとする西側諸国は長期にわたり、新疆に関するデマを飛ばし、人権という看板を掲げて政治操作を行い、中国の内政に干渉し、中国の発展を抑制しようとしてきた。新疆の人権状況がどうなっているのか、数字は嘘をつかない。新疆のウイグル族の人口は過去40年余りで555万人から1200万人以上へと倍増し、1人当たりの平均寿命も1949年の30歳から2019年には74.7歳に伸びた。新中国成立以来、新疆は絶対的貧困から全面的な「小康社会(ややゆとりのある社会)」への歴史的転換を実現し、農牧業の現代化、工業の情報化とスマート化を勢い良く発展させてきた。1955年から2020年まで、新疆の域内総生産は12億3100万元(約250億円)から1兆3797億5800万元(約28兆円)に伸び、1人当たりの域内総生産は241元(約4895円)から5万3593元(約108万8544円)に増えた。

 中国共産党と政府による一つひとつの優遇措置は、新疆住民の生活に大きな改善をもたらしてきた。中国の経済、社会発展に関する「第13次五カ年計画」期間(2016~2020年)だけでも、新疆では農村部住民向けの住宅整備プロジェクトで累計120万6500世帯の住宅が改善され、都市部でも保障性住宅が131万3800戸建設された。また、全地域で高速道路が走るようになった。さらに、新疆には民用空港が22カ所あり、中国で民用空港が最も多い省クラスの行政区となった。

 中国共産党と政府は新疆の宗教、文化の保護と伝承をも非常に重視している。宗教信仰の自由を保障することを憲法に明記したり、宗教関連の典籍を多言語・文字で翻訳・出版したり、専門資金を拠出して多くのモスクを修繕したり、さらには各種の学校や幼稚園、レストランなどにハラール食堂やハラールフードのコーナーを設置したりするなど、中国は少数民族の風習への尊重を細部まで徹底している。

 ますます多くの新疆出身の人材が各業界で活躍している。今年初めに行われた北京冬季五輪では、新疆出身の選手6人が出場した。中でも、クロスカントリースキーのディニグール選手は聖火リレーの最終ランナーの一人として、聖火台に点火した。筆者の同僚である中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の司会者、ニグメット氏は8年連続でCMGの「春節聯歓晩会(日本のNHK紅白歌合戦に相当)」の司会を担当し、そのユーモラスな司会スタイルとカッコ良さは全中国の視聴者に愛されている。国家級無形文化遺産の伝承者、「空中の王子」とも呼ばれるアディリさんは綱渡りのギネス世界記録を5回も更新し、これまで数回にわたり国家指導者と対面で交流し高く評価され、政府による特別手当も享受している。このほか、芸能界にも数えきれないほどの新疆出身の歌手、俳優が活躍しており、全国の視聴者から認められ、愛されている。

 そういった数多くの実例やデータを前にしてもなお、米国など西側の関係者たちは無視を選ぶかもしれない。しかし、今回の人権理事会の投票結果も示したように、新疆問題を利用して中国を圧迫・抑制しようとする企みがうまくいくことはなく、「新疆カード」が働かない日もいずれ来るに違いない。

 今回の人権理事会で、キューバのフアン・ロマン氏は「中国は何度も各国の外交官を新疆に招待してきた。その活動は新型コロナウイルスの流行期間中にも困難を克服して組織されている。しかし、新疆問題に関心があると言って今回の提案をした国の代表は、なぜこれまで参加しなかったのか」と問いかけた。この問いへの回答は、新疆を含む中国の人々が待っている。現在、中国各地では豊作を迎えており、その中で新疆の綿花も大規模な収穫期に入っている。数多くの収穫機械によって、一列一列の綿花が自動的に摘み取られ、梱包されている。新疆に偏見を持っている人がいるなら新疆に来てみることを勧める。そうすれば、新疆の美しい景色と人々の幸せな笑顔が心を浄化してくれるだろう。(CRI日本語部論説員)

ラジオ番組
KANKAN特集