戯歌~第2弾~

2022-09-25 20:57:17  CRI

 「戯歌」はここ数年、若者に人気のジャンルで、伝統的な演劇の節回しやメロディーなどの要素を流行歌に取り入れているところが魅力です。今回の中国メロディーは先週に引き続き、最近人気の味わいある伝統演劇の中で歌われる「戯歌」をご紹介しましょう。

梨花頌(梨の花を讃える)

 「戯歌」といえば、京劇の節回しをアレンジした名曲「梨花頌」が有名です。この曲は時代の流れに合わせて京劇からアレンジされた作品です。梨花頌(梨の花を讃える)」は現代京劇「大唐貴妃(唐の皇妃)」の主題歌で、唐の玄宗皇帝と楊貴妃の悲しい恋をテーマに歌っています。「梨花頌(梨の花を讃える)」という歌は絶世の美女・楊貴妃を梨の花に例えています。中国語の「梨」と「離れる」の発音は同じで、曲の中の梨の花は楊貴妃と玄宗皇帝が離れ離れになる運命の悲しい結末を暗に表しています。

分飛燕(別れツバメ)

 「分飛燕(別れツバメ)」は広東地区の地方劇粤劇(広東劇)の中で歌われる曲です。粤劇(広東劇)のメロディーは滑らかで軽快なリズム、明るい音色が特徴です。周恩来総理は粤劇を「南国の紅豆」と称賛したことがありました。紅豆とは広東省に分布する木にできる豆のことで、中国古代の文学作品ではしばしば相思相愛の象徴としてよく使われています。

 「分飛燕」は、恋人との別れの切ない場面を表現しています。その美しいメロディーと味わいある歌詞で、広東省の人々に愛されています。この歌は広東劇で有名な女優・リー・シュージンさんが歌い、ポップなオーケストレーションが取り入れられているのが新鮮です。リー・シュージンさんは「『分飛燕』のような『戯歌』は伝統文化の一部だと思う。時代の趣をまとい、若者の興味を引いてこそ、伝統演劇を守り、継承していくことができる」と話しました。

丝路新声(シルクロード新声)

 陝北講談は中国北西地方の陝西省北部・陝北地区に伝わる伝統芸能です。歌い手は陝北の方言で、三味線や琵琶を手に弾き語りや民話を紡ぎます。最初、陝北地区の講談師の多くは貧しい盲目の芸人で、農村地域で村を回りながら陝北民謡の節回しで民話を歌い、人気を集めました。 陝北講談は豊かな地方の特色があり、高らかな曲調で陝北文化の趣を醸し出します。

 新世代代表として、熊竹英さんは陝北講談の美しい曲調と独特の節回しを見事に表現し、2020年第11回中国曲芸牡丹賞の演技賞を受賞しました。その舞台では横山陝北講談団を率いて共演した「丝路新声(シルクロード新声)」を披露しました。その歌声は高らかで力強く印象的です。

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