北京
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上海協力機構(SCO)の最高意思決定機関であるメンバー国首脳理事会第22回会議がウズベキスタンのサマルカンドで開かれる。各国は相互信頼、互恵、平等、協議、多様な文明の尊重、共同発展の追求という「上海精神」の下、政治、安全、金融、経済、交通、通信、人文などの分野における関心事をめぐって意見を交換する。
SCOは2001年6月、中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6カ国によって創設された地域的な国際組織である。2017年にはインドとパキスタンを受け入れ、メンバー国は8カ国に増加。現在、アフガニスタン、ベラルーシ、イラン、モンゴルの4つのオブザーバー国があり、アゼルバイジャン、アルメニア、カンボジア、ネパール、トルコ、スリランカなどの対話パートナーも有している。
SCOの拡大に伴い、現在10カ国以上がSCOへの加入または組織内の法的地位の引き上げを希望している。今回のサミットで、イランがSCOメンバー国の義務を履行する覚書に署名し、正式メンバーとして受け入れられる。また、サミットでは、ベラルーシのSCO加入に関する手続きも開始されるほか、カンボジア、ネパール、アゼルバイジャン、アルメニア、モルディブなどにオブザーバー国や対話パートナーとしての地位を与えることについても議論が行われる。サミット開催後はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタール、シリア、イスラエル、エジプトなどからの加入申請も受け付ける。これは、SCOの原則と理念が国際社会から広く認められていることを示している。
SCOの発展はメンバー国および地域の経済発展に力強い原動力を与えている。世界銀行の統計によると、2021年のSCO全メンバー国にイランを加えた各国のGDPの合計は世界のGDPの約4分の1となる23兆5000億ドルに達し、設立当初の13倍以上に拡大した。2021年、SCOメンバー国にイランを加えた各国間の貿易総額は7760億ドルを超え、2020年より25%増加した。過去5年間の貿易の増加幅は31.5%に達している。中国が提出した「一帯一路」共同建設イニシアティブは、各国の発展戦略およびユーラシア経済連盟などの地域協力構想と深く結びついている。それにより、エネルギー・資源型国家と加工・製造業を特徴とする国家とが互いの優位性で補填し合うことで、産業チェーン、サプライチェーンが深く融合している。
SCOは共同で安全を守る分野で責任感を示している。SCOはテロリズムと過激主義を明確に定義した最初の国際組織であり、設立から20数年にわたり、法律の制定や協力メカニズムの構築、専門的な反テロ機関の設立、反テロ演習の定期的な実施、国境警備協力の強化などを通じて、テロ、過激主義、分裂主義の「3つの勢力」と麻薬密輸、国境を越えた犯罪を共同で取り締まってきた。SCOの地域的反テロ機関の統計によると、2013年から2019年までに、SCOはテロリズムの性質を持つ犯罪活動を960件以上制止し、国際テロ組織のメンバー2600人以上を逮捕した。SCOの効果的な安全協力により、中央アジア地域では、一部の西洋学者が予言した「中東化(外部勢力の介入によって混乱状態に陥ること)」の傾向が現れていない。また、SCOはより広い地域で安全協力を行っており、現在、「SCO・アフガニスタン連絡グループ」がアフガニスタンの再建のために建設的な役割を果たし始めている。
今のSCOは「経済」「安全」の2つの軌道を同時に進める状態から、「衛生健康共同体」「安全共同体」「発展共同体」「人文共同体」の「四輪駆動」の構築にすでに向かっている。新型コロナウイルスの感染が続き、世界のエネルギーと食糧のサプライチェーンが危機に直面する中、カバーする地域の面積が最も広く(地球の陸地面積の4分の1を超える)、最も多くの人口を持つ(メンバー国の総人口は世界の半分近くを占める)総合的な地域組織として、SCOのメンバー国とパートナーはサマルカンドサミットを契機に一層手を携えて新型コロナに対応する。また、内部協力を強化すると同時に外部のメカニズムと積極的に連結し、相互接続を通じてエネルギーと食糧のサプライチェーンを強化して地域の発展環境を安定させ、世界の発展のためにより多くのプラスエネルギーを注入するだろう。(CRI日本語部論説員)