【観察眼】中国の祖国統一は阻むことのできない歴史の潮流

2022-08-22 17:47:48  CRI

 日本の超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)の古屋圭司会長と木原稔事務局長が22日から台湾入りした。伝えられたところでは、滞在期間中、2人は日本と台湾地区の「防衛協力」について台湾当局と会談する予定だ。ペロシ米下院議長の台湾訪問が地域情勢にもたらしたショックがまだ収まらない中、その後を追うようにして行う今回の訪問は、中国サイドとして、警戒せざるを得ない動きと言える。

 中国政府は先日発表した白書「台湾問題と新時代の中国統一事業」の中で、台湾問題の歴史的経緯と政策的主張を全面的に述べ、祖国統一に対する中国の決意を改めて表明した。日本の関係者が情勢を見誤らないようにするため、白書の基本的な見解を改めて紹介しておく。

 まず、中国の歴史における「台湾」の位置づけについて。

 台湾は一度たりとも「国」になったことはない。古文書の中には、台湾に関する記述が古くは三国時代の文献に遡ることができる。宋元以降、歴代中央政府はいずれも澎湖と台湾に行政府を置き、管轄を行ってきた。1885年、清政府は台湾を福建省の一つの「府」から「省」に格上げ。1895年、甲午戦争に敗けた清朝政府は、台湾を日本に割譲することを余儀なくされた。1943年に、中米英三国が発表した「カイロ宣言」では、日本が中国から盗取した東北部、台湾、澎湖諸島などを中国に返還する内容が明確に盛り込まれており、1945年7月のポツダム宣言でも同じ内容が踏襲されている。

 第二次世界大戦後、中国では内戦と外部勢力の干渉により、海峡両岸が長期にわたり政治的対立という特殊な状態に陥った。しかし、中国の主権と領土は一度も分割されたことはなく、台湾が中国領土の一部である地位も一度も変わっていない。

 次に、第二次世界大戦後の世界における「台湾」について。

 1971年10月、第26回国連総会は第2758号決議を採択し、中国の国連における議席は1つであり、「2つの中国」、「1中1台」は存在しないことを明確にした。「台湾」の法的位置づけについて、国連法務部からは、「台湾は中国の一つの省として、独立した地位を有していない」「台湾当局はいかなる形の政府としての地位も有していない」と公式な見解を表明している。実践において、国連が台湾に対して使用している呼称は「台湾、中国の省(Taiwan,Province of China)」である。

 第三に、中国がなぜペロシ氏の台湾訪問に強く反対しているのか。

 『国連憲章』に規定された国家主権と領土保全の尊重、内政不干渉などの重要な原則は、現代国際法と国際関係の礎である。「一つの中国」の原則は国際社会の普遍的な共通認識であり、国際関係の基本的準則として守られるべきである。現在、世界には米国を含む181の国が「一つの中国」の原則の下で、中国と外交関係を結んでいる。ペロシ氏は米連邦政府の事実上「ナンバー3」として、公の身分で公然と台湾を訪れたが、これは国連第2758号決議への歪曲であり、国際法に違反し、中国に対する政治的約束に著しく背き、中国の主権と尊厳を侵害し、国際関係の基本準則を踏みにじる行為である。

 ペロシ氏が台湾を訪問した後、すでに170余りの国と多くの国際組織が「一つの中国」の原則を堅持することを再確認し、中国が自国の主権と領土保全を断固として守ることを支持する姿勢を表明している。

 第四に、なぜ「日華懇」の台湾訪問も同様に懸念すべき事態なのか。

 外部勢力の介入は、中国の祖国統一プロセスにおける際立った障害である。ここ最近、日本の関係筋による台湾関連言動には消極的な動きが目立ち、「台湾有事は即ち日本有事」と騒ぎ立てる声があがり、「台湾独立」勢力に非常に危険な誤ったシグナルを送っている。

 台湾問題は中日関係の政治的基盤と両国間の基本的信義則にかかわるもので、これに関して、日本はこれまでに何度も中国と厳粛に政治的約束をしてきた。それにもかかわらず、実際の行動において、白黒を転倒し、米国の誤った行動の肩を持ち、理不尽な非難をもって中国の顔に泥を塗ろうとしている。こうした姿勢こそが地域情勢を絶えずエスカレートさせる隠れた要因と言えよう。

 第五に、なぜ中国統一の勢いは阻むことができないと言うのか。

 中国はこれまで数千年の間に、主として統一された国として世界に存在してきた。「統一すれば強くなり、分断されれば乱れてしまう」。これが歴史の法則である。安寧と発展、そして良い暮らしこそが、両岸の民衆に共通した追求である。「台湾カード」を切って、中国の統一と民族の復興を阻止しようとしても、そんなたくらみは実現できない。中国の統一は、いかなる者もいかなる勢力も阻止することのできない歴史の潮流である。(CRI日本語部論説員)

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