中国初のラージトウ炭素繊維生産ライン、設備の設置が完了

2022-08-17 10:47:59  CRI

 中国石油化工(シノペック)は16日、中国初のラージトウ炭素繊維生産ラインについて、全設備の設置が完了し、パイロット生産に入ったと発表しました。プロジェクトが完成・稼働すれば、シノペックは国内で初、世界でも4番目となるラージトウ炭素繊維の生産技術を確立した企業となります。  

 △シノペックのラージトウ生産ライン 

 シノペックが今回開発・試作したラージトウ炭素繊維は、炭素含有量が95%以上の高強度新型繊維材料です。その比重はスチール(鋼)の4分の1に満たないものの、強度は7~9倍に相当し、かつ耐腐食性を備え、「新材料の王様」とも呼ばれ、航空機部品や軌道交通の原材料、車体製造などに幅広く応用され、各業界での幅広い応用可能性が期待されています。  

 炭素繊維業界内では、4万8000(48K)フィラメント(単糸)以上の太い束をラージトウと一般に呼びます。中国国内では現在、炭素繊維の束は、スモールトウと呼ばれる1000~1万2000フィラメントが一般的です。世界でラージトウの生産技術を保有しているのはこれまで日本や米国など一部の国だけでした。  

 シノペックは、上海石油化工研究院など10を超える大学や科学研究機関、企業と提携し、企業を主体として「産・学・研・用」を結びつけたイノベーションの道を歩み、2018年に重大な進展を遂げ、48Kラージトウの試作に成功し、製造プロセスを確立しました。現在、シノペックの炭素繊維技術は独自の知的財産権を保有しており、274件の関連特許と165件のライセンスを取得しています。(ZHL、柳川) 

 

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