北京
PM2.577
23/19
米政権ナンバー3のペロシ下院議長が台湾を訪問するのではないかというニュースがここ数日、世界で注目を集めている。米議長事務所の公式サイトは7月31日、シンガポール、マレーシア、韓国、日本訪問を含むペロシ氏のアジア歴訪日程を発表したが、これまで何度も伝えられていた台湾訪問日程については言及していない。台湾メディアの最新の報道によると、ペロシ氏一行は8月2日夜にも台湾に到着する可能性が高いという。中国はペロシ氏の台湾訪問に強い反対の意を示している。中国外交部の趙立堅報道官は8月1日、「中国側は最近、大きな懸念と厳正な立場を米国側に繰り返し表明しており、ペロシ議長が台湾を訪問すれば深刻な結果を招くことになると強調している」と再度表明した。
ペロシ氏のこうした動きは、米国内の多くの人々からも非難されており、バイデン米大統領も反対の立場を表明しているほどである。バイデン大統領は「米軍は(ペロシ氏の今の台湾訪問は)良いアイディアではないと考えている」と述べ、国防総省も反対していることを明らかにした。
米国では、現大統領のみならず、前大統領まで「事態を悪化させるだけだ」とペロシ氏を痛烈に批判した。トランプ前大統領はSNSで、「なぜペロシ氏は中国大陸部と台湾のことに手を出すのか」と問いかけた。さらに、「彼女は本当にめちゃくちゃだ!!!」と感嘆符を3つ連打した。
台湾の有識者も「ペロシ氏の行動は台湾海峡情勢の平和と安定を深刻に脅かすものだ」と批判している。台湾のメディア関係者である陳揮文氏は7月28日に放送された番組で、ペロシ氏の台湾訪問が台湾海峡に危機を招く可能性があるという外国メディアの報道を受けて、「皆さんに問いたい、そうする価値はあるのか」「年末にも退任するであろう米下院議長(ペロシ氏)は今回、卒業旅行をしているだけだ。私たち(台湾)はあなた(ペロシ氏)のせいで台湾海峡の危機にさらされる。ペロシ氏は、私たちがそこまで犠牲を払うのに値する人なのか」と問い続けた。
陳揮文氏の言うように、82歳のペロシ氏のこの行動は、任期が終わる前に自分のために卒業旅行に出かけ、政治ショーを利用して自分のキャリアを「円満に」締めくくり、政治的私利を中米両国民の利益より大事な位置に置こうとするものだ。
中国がこれまで中米両国が「トゥキュディデスの罠(わな)」に陥らないよう努力してきたのに対し、ペロシ氏をはじめとする一部の米国政治家は何度も無責任に両国を大国間衝突のほうへ引きずり込もうとしてきた。「ペロシたち」は、台湾訪問が中米関係や両国民にどのような悪影響をもたらし、アジア太平洋地域ひいては全世界の平和と安定にどのような衝撃をもたらすのかを考えたことはない。
「ペロシたち」に、ここ数日米国で起きた出来事に目を向けてほしい。
先週末、米国の多くの地域で再び銃声が上がり、シカゴ市だけでも30件近くの銃乱射事件が発生し、少なくとも4人が死亡した。また、米ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、北京時間8月1日現在、米国の新型コロナウイルス感染者は累計9130万人を超え、死亡者は約103万人に達している。国際通貨基金(IMF)は先週、最新の世界経済見通しを発表し、米国の今年の経済成長率見通しを2.3%に下方修正した。下方修正の幅としては先進国の中で最大となった。
銃暴力事件の頻発、感染対策の不手際、経済不振の長期化…どれもが米国内で解決を迫られている問題である。「ペロシたち」には、「ロングアーム管轄」をやめて、自国の問題を真剣に解決し、米国民に真の平和で安定した生活を提供することを勧めたい。
台湾訪問の茶番劇はそろそろ幕を下ろすころだろう。(CRI日本語部論説員)