北京
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旧暦の6月24日から27日にかけて、中国南西部の雲南省イ族、ペー族、ナシ族などの民族の人々は、毎年恒例の伝統的な祭りである火把節(たいまつ祭り)を祝いました。コロナ感染の影響で2年間中止されていたこの伝統的な祭りが今年ようやく再開され、現地は久しぶりに祭りの雰囲気を楽しむ人々で賑わいました。今週の中国メロディーは2年ぶりに再開された火把節、たいまつ祭りのお祝いムードと少数民族音楽をご紹介しましょう。
松明祭りの由来
たいまつ祭りは、火に対する信仰から始まったと言われています。紅河地区のイ族の伝説によると、昔、これらの地区ではイナゴが猛威をふるい、人々は生活することができなかったと言います。害虫を追い払うため、イ族の人々は稲わらを燃やして田畑のイナゴを煙でいぶし、害虫を撃退して作物を守りました。その後、毎年旧暦の6月25日には、地元の人たちが松明に火をともして豊作を祝い、歌ったり踊ったりして大騒ぎしています。
今、松明祭りはイ族の人々にとって最も盛大で伝統的な祭りとなっています。松明祭りになるとイ族の人々はかがり火を焚き、各地から訪れた客を招いて祝います。そのため、松明祭りは東洋のカーニバルとも呼ばれています。
松明祭りの壮観な夜
イ族地区では、松明祭りが毎年3日間開催され、人々は豊富なお酒や肉を用意して火の神様を迎えます。出稼ぎに出ていた旅人たちも故郷に戻って肉親たちと団欒し、祭りの喜びを味わいます。各村の中央の広場には松の木などを材料にした大きな松明が立てられ、各家の前にも小さな松明が立てられています。
夜には各家で松明がともされ、村全体が明るくなります。人々は小さな松明を持って田畑や住宅の周りを通り抜け、松明を田畑のあちこちに挿していきます。遠くから見ると、うねうねと起伏する火をまとった竜のようで、とても壮観です!
「東方のバレンタインデー」
松明祭り当日の夜には、何千何万個ものの松明からなる多くの火の竜が、四方八方から集まり、巨大なかがり火となって、空を赤く燃やします。人々はたき火を囲んで夜遅くまで踊ったり歌ったりして、とてもにぎやかです。
かがり火が消えそうになった時、カップルの恋人たちはひっそりと山の斜面の木の茂みに入って、傘の下で、月琴をかき鳴らして、思いを伝え合うという伝統がありました。そのため、イ族の松明祭りは「東方のバレンタインデー」とも呼ばれています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 遠方的客人请你留下来(遠方からのお客さん)
軽快なメロディーでイ族の人々が遠方からの客を迎える場面を描いています。
歌詞:
道端の花がちょうど咲いているよ
木の実は人がもぎとるのを待っている
セロセロ セロセロ
遠方からのお客さんはお泊まりください
2曲目 不要怕(怖がらない)
イ族地域に広まる最も人気のあるイ族の流行歌です。この曲はイ族のミュージシャン、莫西子詩さんが作った歌です。素朴で心に響くメロディーは、イ族の人々の強靭さと粘り強さを表現しています。
歌詞:
風が吹いて
雨が降ってきた
木の葉が黄色くなり
春が去って秋が来る
時は流れ
歳月が移り変わる
怖がらないで 怖がらないで
痛みも苦難も
3曲目 撒尼少年跳月来(サニ少年は月を踊る)
イ族のサニ部族の子どもたちが月明かりの下でたき火を囲んで歌い踊り、祭りを満喫して喜ぶ様子を表現しています。
歌詞:
月が東山に登ってきたよ
サニ少年が月踊りを踊っている
月が昇る
東山に
サニ少年よ
月踊りを踊っている
三味線を弾けば楽しい