北京
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中国の著名な作詞家・喬羽さんが今年6月20日、北京で病気のため95歳で死去しました。中国音楽創作界の「大御所」として知られる喬羽さんが作った『今宵を忘れず』などの曲はCCTVの国民的年越し番組『春節の夕べ』の舞台で歌われ、今も多くの人に親しまれています。今週の中国メロディーは先週に引き続き、喬羽さんの音楽作品をお楽しみください。
今宵を忘れず
1984年、CCTVの年越し番組『春節の夕べ』のディレクターが番組の最後を飾る曲、それも「家族の団らんと未来への希望を込めた曲を作ってほしい」と喬羽さんに依頼しました。
静まり返った夜、喬羽さんは創作のペンを走らせ、ペンを置いた時にはすでに午前3時になっていました。こうして、1984年の大晦日の夜、喬羽さんが創作した『難忘今宵(今宵を忘れず)』が初めて『春節の夕べ』の舞台に登場しました。会場の観客の中には、この曲に合わせて目を潤ませたり、隣の親友と抱き合ったり、笑顔で未来への憧れを抱いたりする人もいました。この歌当時も今も、すべての人の心を温かくしてくれます。
今宵を忘れず
今宵を忘れず
新しい友も古い友も
来年の春にまた会いましょう
想い
喬羽さんは「私は派手な歌詞ではなく、口語をそのまま使うのが好きだ」と話していました。短いながらも、彼が作る歌詞には生活や芸術への思いが詰まっています。
作曲家である谷建芬さんとのコラボ曲『想い』中の「蝶」のイメージは1960年代、喬羽さんが偶然出会った蝶から着想を得ました。ある日、喬羽さんが一人で家にいると、きれいな蝶が開け放たれた窓から寝室に飛び込んできて、しばらくの間、気ままに軽やかに飛んでいましたが、また窓から飛び出ていきました。この瞬間のことを喬羽さんは記憶に留めていました。
貴方はどこからきたんだ?
私の友よ
蝶蝶のように私の窓辺に飛んできた
いつまで居られるんだ
随分長く離れ離れになっていたのに
またあわただしく別れるのか
この再会がまた1つの別れになるのだろうか
ここには歌詞を書いた人が埋葬されている
晩年、喬羽さんはよく「音楽創作の大御所」と呼ばれていましたが、謙遜して、多くの優秀な作曲家や歌手との出会いに感謝するばかりでした。「もし良い歌詞だけがあっても、優れた作曲家が曲をつけて、優れた歌手が歌わなければ、広く歌い継がれることはない」と話しました。喬羽さんは生前、自分に墓碑銘を書いたことがありますが、「ここには歌詞を何曲か書いた人が埋葬されている」というシンプルな言葉でした。
番組の中でお送りした曲
1曲目 難忘今宵(今宵を忘れず)
歌詞:
今宵を忘れず
今宵を忘れず
新しい友も古い友も
来年の春にまた会いましょう
2曲目 思念(思い)
歌詞:
貴方はどこからきたんだ?
私の友よ
蝶蝶のように私の窓辺に飛んできた
いつまで居られるんだ
随分長く離れ離れになっていたのに
またあわただしく別れるのか
この再会が また1つの別れになるのだろうか
3曲目 夕陽紅(美しい夕日)
生涯奮闘してきた年輩たちを、遅咲きの花、古くなった酒、遅れてきた愛になぞらえて讃えていて、とても心温まります。
歌詞:
最も美しいのは夕日の赤で
温かくて余裕がある
夕日は遅咲きの花
夕日は古くなった美酒
夕日は遅れてきた愛
夕日は終わらない深い愛