作詞家・喬羽、素朴で美しい歌(前編)

2022-07-25 17:27:52  CRI

 中国の著名な作詞家・喬羽さんが今年6月20日、北京で病気のため95歳で死去しました。ソーシャルメディアでは多くの人々が哀悼の意を表しています。喬羽さんは『わが祖国』『舟こぎ歌』『山西は美しいと言われている』など多くの優れた歌を創作しきたため、世代をまたいで、中国人にとって素晴らしい記憶となっています。今週と来週の中国メロディーは、著名な作詞家・喬羽さんの音楽人生と代表作をご紹介します。

わが祖国

 1927年に中国東部の山東省で生まれた喬羽さんは、中国共産党が晋冀魯豫(山西省、河北省、山東省、河南省の略称)辺区に創設した北方大学芸術学院に1945年、18歳で入学し、そのころから小説や詩を新聞に発表するようになりました。1949年に新中国が成立した後、喬羽さんは北京の中国脚本創作室で働いていました。

 1956年、喬羽さんは朝鮮戦争を題材にした映画『上甘嶺の戦い』の挿入歌の執筆を依頼されました。当時、映画の撮影は終わっていて、歌詞を待つばかりでした。喬羽さんは映画を見て、しばらく気持ちが落ち着かないほど感動し、少し前に初めて目にした長江と、長江の両岸に広がる緑の稲田を思い出しました。

 大河の波はゆっくりと

 風が吹いて稲の香りは両岸に

 我が家は岸の上にあり

  船頭の声も聞き慣れて 

  船の上の白帆も見慣れた

 これは美しい祖国

 喬羽さんは、「誰の故郷にも、自分たちだけの母なる川がある。人々がこの歌を聞いた時に、子供時代、故郷、祖国の美しい思い出を呼び起こしてくれることを願っている」と語りました。

舟こぎ歌

 1954年、27歳で熱愛中だった喬羽さんは、4月のある日、恋人と北海公園で遊んでいました。しかし当時、喬羽さんの気持ちは浮ついたものではありませんでした。新中国初の子供向け映画『祖国の花』の主題歌の歌詞を作るという新しい任務を受けたばかりだったからです。

 デートの日。波の立つ湖面に太陽の光が降り注ぎ、彼女と湖に舟を浮かべていた喬羽さんはパドル競技をしている子供たちに出会いました。子供たちの楽しそうな笑い声に喬羽さんはインスピレーションを爆発させました。彼はすぐに岸に戻り、ポケットからペンとメモを取り出すと、一瞬にして頭の中に浮かんできた歌詞を書き留めました。

 我らに二本の櫓を漕がせよ

 小舟は波を乗り越え進み

 湖面にはきれいな白い塔が逆さに映る

 四方は緑の木々や赤い壁が取り囲み

 小舟は軽々と漂う水の中

 涼しい風がまっすぐに吹いてくる

山西は美しい

 1963年、喬羽さんは再び映画『汾河長流(汾河の水は長く流れる)』の映画挿入歌の創作に招かれました。これまで、映画『上甘嶺の戦い』のために作った挿入歌『わが祖国』が広く歌われてきただけに、監督は喬羽さんに大きな期待を寄せています。喬羽さんが創作した歌詞はこれまでの率直な口語のスタイルを維持して、最初のワンフレーズは「汾河の水がザーザーと流れる」。山西省の風景を目の前に展開しています。

汾河の水がザーザーと流れる

 春三月に杏の花を見て

 五月になると杏の実が熟し

 麦と小麦の花が咲く

 歌は山西人の「母なる河」汾河に対する賛美と深い愛情を歌っています。今、映画『汾河の水は長く流れる』は多くの人々に忘れ去られたかもしれませんが、映画の挿入歌『山西は美しいと言われている』は歳月を越えてもなお、汾河両岸の豊作の喜びを表現し、当時のように光彩を放っています。

番組の中でお送りした曲

1曲目 我的祖国(わが祖国)

 映画『上甘嶺の戦い』の挿入歌です。

歌詞:

大河の波はゆっくりと

風が吹いて稲の香りは両岸に

我が家は岸の上にあり

 船頭の声も聞き慣れて

 船の上の白帆も見慣れた

これは美しい祖国

2曲目 让我们荡起双桨(舟こぎ歌)

 映画『祖国の花』の主題歌です。

歌詞:

我らに二本の櫓を漕がせよ

小舟は波を乗り越え進み

湖面にはきれいな白い塔が逆さに映る

四方は緑の木々や赤い壁が取り囲み

小舟は軽々と漂う水の中

涼しい風がまっすぐに吹いてくる

3曲目 誰不説山西好風光(山西は美しい)

映画『汾河長流(汾河の水は長く流れる)』の映画挿入歌です。

歌詞:

汾河の水がザーザーと流れる

春三月に杏の花を見て

五月になると杏の実が熟し

麦と小麦の花が咲く

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