【CRI時評】「入浴の自由」を奪われた欧州の人々はそれでも米国の盾になるのか

2022-07-15 11:38:00  CRI

 7月11日から21日まで、ロシアから欧州に天然ガスを輸出する最大のパイプライン「ノルドストリーム1」がメンテナンスのためにガスの輸送を一時停止している。現在はまさに欧州諸国が冬の間のガスを備蓄する重要な時期に当たり、「ノルドストリーム1」の停止は欧州を落ち着かなくさせている。

 ロシアとウクライナの衝突勃発後、欧州が米国に追随して対露制裁を行い、ロシアが欧州に対する天然ガスの供給を減らしたことで欧州の天然ガス価格は急騰した。欧州の人々はエネルギー危機の下、厳しい暮らしを強いられざるを得ない。ロシア・ウクライナ衝突の影響の渦中にある欧州諸国は総じて「ノルドストリーム1」が完全に絶たれることになるのを懸念している。フランス、オーストリア、イタリア、ギリシャなど多くの国の政府は最悪の事態に備えて準備をしているものの、短期的には欧州がロシアの天然ガスに代わるものを見つけるのは難しい。

 これと同時に、エネルギー危機が押し上げたインフレが欧州を席巻し、欧州の人々の生活のさまざまな面に波及している。欧州の経済成長の鈍化、ユーロ圏の衰退に対する市場の懸念の高まり、さらにFRBの利上げなどの要因を背景に、7月12日、ユーロは対ドルで1:1まで下げ、20年来の最低水準となった。欧州の政治家たちが米国に踊らされ、ロシアに極限の圧力を掛けたことの反動が、まさに一般大衆に重くのしかかって来ており、自分たちはロシア・ウクライナ衝突の最大の被害者だと考える欧州人がますます増えてきている。

 一方的な制裁は問題を解決しないばかりか新たな問題を生み出すことは事実が繰り返し証明している。欧州の政治家たちは米国に追随して誤った道を狂奔するのではなく、冬が訪れる前に和解と話し合いを呼びかけ、危機を緩和するためのより前向きで効果的な道を模索すべきだ。例え欧州の人々がこの冬を暖かく過ごせるようにするだけのためだとしても。(CRI論説員)

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