【CRI時評】日本の憲法改正は「望んでも手が届かない」目標

2022-07-13 14:12:50  CRI

  10日に投開票された日本の第26回参議院選挙で、与党・自民党は単独で改選議席124の過半数63を獲得し、「改憲勢力」が改憲の発議に必要な定数の3分の2を超える議席を獲得した。岸田文雄首相は「できる限り早く発議に至る取り組みを進め、結果的に憲法改正にたどりつく」と表明した。

 選挙前は、候補者の演説でも、また候補者が頒布するビラでも、述べられていたのは主にインフレ対策や賃金引き上げについてであり、これこそが日本国民が最も関心を寄せる問題だ。だが選挙が終わると、有権者にさまざまな公約をした議員らが話を変え、改憲問題を最も重要な政治課題にしたことは、公約への裏切りであり、民意に背くものだ。

 日本が第2次世界大戦後に公布した新憲法の第9条は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とし、こうした目的を達成するため「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と明確に規定している。この平和憲法は、施行から75年、日本が周辺との関係改善や経済発展を遂げるのを手助けしてきた。それ故、日本国民にとても大切にされている。

 一方、日本国内ではすでに改憲を求める社会的雰囲気が作り出されているのだろうか。答えは否だ。大多数の日本国民に改憲へのニーズはなく、改憲が一刻の猶予も許されない問題とは考えていない。

 5月2日付「朝日新聞」の世論調査によると、日本国民の59%が憲法第9条について「変えないほうがよい」と答えている。NHKが5月3日に報じた世論調査結果によると、今の憲法について「改正する必要があると思う」は35%にとどまった。

 物価高や景気後退など多くの難題に直面し、民選議員がすべきなのは、公約を実現する方法を考えることであり、当選後直ちに態度を変えて改憲という政治的計算を推し進めることではない。それは、国民の不満と不信任を増し、日本に対する周辺国の警戒と反感を招く結果にしかならない。(CRI論説員)

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