7月5日 火曜日

2022-07-05 22:47:18  CRI

 香港も「故宮」を持つようになりました。香港故宮文化博物館が今月3日に一般開放されました。延べ床面積は約3万平方メートルで、北京の故宮博物院の所蔵品から厳選された900点余りが展示されています。香港に遊びに行く理由、また一つ増えましたね。

 さて、今週の番組のメニューです。

▼「週間ニュースファイル」

▼シリーズ企画【祖国復帰から25年 ぼくらの香港ノスタルジア①~ぼくらの「香港」原体験から】


【北京スケッチ】6月30日の北海公園(撮影:平文智)


【北京スケッチ】北海公園のハスの花(撮影:平文智)


7月1日、愛媛県松野町蕨生のラベンダー(撮影:高知県四万十市の杉村和男さん)

2022年7月<今月の特別寄稿>

東京都 イタズラ爺さん・奥田正彦さん(87歳)

 今月の印文は、墨脉の詩『曇花』より「清韻着月痕」です。この詩の背景には「曇花と韋駄天の物語」があります。曇花はもともと天界にいた花神だった。良く面倒をみてくれた韋駄天と恋に落ちたものの、天帝に知られて罰を受け、二人は離れ離れになった。韋駄天は恋の記憶が消されて天上に残され、曇花は下界に追放された。思いは変わらない曇花は、韋駄天が下界を訪れる時期を見計らって年に一度、夜にしか花を咲かせなくなった、というお話です。ちなみに曇花(どんげ)とは月下美人の中国名です。

曇 花
(現代)墨脉
芳華一瞬也勾魂
清韻分明着月痕
幽緒今宵化幽夢
來年依舊叩心門

曇 花(どんげ)
墨脉(ぼくえい)

芳華(ほうか)一瞬にして也(また)魂(たましい)を勾(とら)え
清韻(せいいん)月痕(げっこん)を分明(ぶんめい)に着(ちゃく)す
幽緒(ゆうちょ)今宵(こよい)幽夢(ゆうむ)に化せど
来年(らいねん)旧(きゅう)に依(よ)って 心門(しんもん)を叩く

 【詩の内容】この美しい花は咲くのが一瞬であっても、人々の心を奪い、その清らか香りは月光をおぼろげに残していました。(曇花の花びらに秘められた韋駄天への)様々な思いは、今宵憂いに満ちた夢となっても、来年もまた私の心の扉を叩いてくれることでしょう。

 「曇花雖一瞬、却美了一生(一瞬の開花、一生の美しさ)」── 月下美人を評価する表現だ。私は一度だけ、月下美人の花を見ていた。中学の時、植物好きな先生が職員室で育てた月下美人が開花したのである。同じ学校で教鞭をとる父からは「今晩開花するらしいよ。見に行くと良い。」と言われて、わくわくした気持ちで見に行った時の様子は、40年経とうとしても良く覚えている。白いリンとした花だった。その馥郁とした香りとともに、私の一生の思い出である。(後楽)

 今月はつばめアナのプロデュースによる新しい試みで、詩も詩の背景の物語も、写真もエピソードも、すべてこの篆刻作品のために準備されたコラボ制作です。▼プロデューサー・つばめアナ▼詩と詩の背景の物語・墨脉(ぼくえい・中国現代詩人、日本在住)▼エッセー・ 後楽(北京在住、安徽省の人)▼写真・雪阿姨(つばめアナから雪アーイーと呼ばれる花好きな千葉県のリスナー)。(敬称略)

 現代作家の詩による篆刻は初めてなので、いくらイタズラ爺さんでも、ご当人に見られるのですから緊張しました。オーソドックスなデザインのほかに、新しいのも考えて二つ彫りました。

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