【CRI時評】米テキサス州で発生した「移民トレーラー」の惨劇、その背後にある米国の真相

2022-06-30 11:23:26  CRI

 米テキサス州サンアントニオででこのほど、放置されたトレーラーから不法移民とみられる多数の遺体が見つかる事件があり、死者は51人に達した。これは米国で近年起きた移民死亡事件の中で重大なものの一つだ。

 この惨劇は国際社会に衝撃を与え、国連事務総長室も声明で「悲しみ」を表明した。米国は、テキサス州で発生したこの「移民トレーラー」事件について調査中としている。メキシコ当局によると、死者はメキシコ人、グアテマラ人、ホンジュラス人だ。米国が長年にわたり中南米の内政に干渉してきた中にあって、不法移民問題は米国式覇権の悪い報いと言えるだろう。

 米国が1823年に中南米をコントロールすることを狙った「モンロー主義」を提唱して以来、中南米諸国は、米国による軍事介入や政治的操作、制裁、輸出インフレに苦しめられてきた。極度の貧困と暴力犯罪が中南米から移民が流出する主因だとの分析もある。

 メキシコのロペスオブラドール大統領は、米国政府が移民の流入を望まないのであれば、中南米諸国の経済発展を手助けすべきであり、この問題についてバイデン米大統領と話し合ったが、米国の行動は緩慢だと直言した。

 先ごろ開催された米州首脳会議で、バイデン大統領は、中南米諸国における移民と経済発展の問題の解決を手助けする力を強めると約束したが、現時点では態度表明にとどまっており、中南米諸国との経済パートナーシップ構想も、AFP通信によると、概念が具体的約束より多く、より一層の市場チャンネルの開放や資金の注入について約束しなかった。

 「移民トレーラー」の惨劇は警鐘だ。米国の政治家が中南米の人々のことを本当に気にかけているのなら、一刻も早くモンロー主義を捨て、覇権的振る舞いをやめて、適切な措置を講じて難民と移民の人権を保障し、人道的悲劇がこれ以上発生しないようにすべきだ。(CRI論説員)

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