【CRI時評】BRICS協力が予想以上の成果を得られた理由

　「われわれが歴史発展の重要な時期に正しい選択をし、責任ある行動を取ることは、世界にとって極めて重要だ。」習近平国家主席は23日夜、BRICS首脳第14回会議をオンライン形式で主宰し、会議で行った重要演説で、BRICS諸国が心を一つにし、力を結集し、共に未来に向かうよう呼びかけた。「BRICSメカニズムの重要性はどんな言葉を使って言っても言い過ぎではない」。ワシントンのシンクタンク、ウッドロー・ウィルソン国際学術センターのマイケル・クーゲルマン副所長はこう評した。

　複雑な情勢を背景のもとで開かれた重要会議だった。新型コロナウイルス感染症の流行の繰り返し、世界経済回復の低迷、ウクライナ危機などの地政学リスクの増大、冷戦思考とグループ政治の広がり……これらはBRICS諸国の安全保障と発展に大きな衝撃を与えている。

　危機は無秩序をもたらす事もあれば、変革を生むこともあり、それにどう対応するかがカギとなる。新興市場国と発展途上国の代表であるBRICS協力メカニズムは16年の歳月を経て、困難に立ち向かい、危機をチャンスに変える勇気と条件をすでに備えている。経済貿易を例にとると、2021年、BRICS諸国間の貿易額は2006年比300%増加し、世界経済の回復と経済成長をけん引するエンジンとなった。

　「BRICS」の中で経済規模が最大の国である中国は5年ぶりにBRICS会合の議長国を再び務め、人々の期待を裏切ることなくBRICS協力をリードした。

　「新しい血の導入は、BRICS協力に新たな活力をもたらし、BRICS諸国の代表性と影響力を高めることにもつながる。」今回の会談では、諸外国が注目しているBRICSのメンバー拡大の是非について、習主席は明確な答えを出した。今回の会議で採択された「北京宣言」には、「われわれは討議を通じてBRICSのメンバー拡大プロセスを推進することを支持する」と明記されている。ブラジルのリオグランデドスル州連邦大学のディエゴ・パダッソ国際関係学部教授によると、多くの国がBRICS協力メカニズムへの参加を望んでおり、これはBRICSメカニズムの強大な生命力を体現している。

　BRICS概念の発案者であるゴールドマン・サックス元チーフエコノミストのジム・オニール氏は2018年、「BRICSメカニズムの発展は、私の予想をはるかに上回っている」と感嘆した。彼の目には、中国はBRICSメカニズムの発展にとって「重要な牽引の役割を持っている」と映っている。今回の会議でBRICS協力が達成した高い水準は、オニール氏の予想をさらに上回るかも知れない。この中で刻んだ「中国の刻印」は、BRICSをさらに輝かせるだけでなく、グローバル・ガバナンスを強化するためにより多くの「BRICSの力」を注ぎ込むだろう。（CRI論説員）