北京
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6月9日は「国際アーカイブズの日」です。公文書は文化を伝承する重要な媒体となっています。北京には「皇史宬」というあまり知られていない場所があり、「宬」とは蔵書室のことを指し、ここは明・清時代の王室が王室文書を保存するために建てた公文書館です。ここは中国に現存する最も完全に保存された王室の公文書館でもあり、世界遺産登録を目指す北京市「中心軸」の重要な一部になります。
中国明・清の公文書館「皇史宬」
皇史宬はれんがと石で築かれており、くぎと木は全く使われていないため「石室」とも呼ばれ、北京地区における最も古いアーチ式で梁(はり)のない建築物になります。地面には高さ1.42メートルの石台が築かれており、上には「金匱」と呼ばれる文書を収蔵する大きなクスノキの箱があります。箱は外側が金メッキと銅製の膜で覆われ、表面には竜の模様が施された、長さ1.35メートル、幅0.75メートル、高さ1.3メートルの均一の大きさになっています。現在、皇史宬本殿には「金匱」32個があり、ほかには120個が中国第一歴史公文書館新館に移されて保存されています。「金匱」には満州族、漢民族、蒙古族の順で3種類の文字で記載された貴重な文書が保存されています。皇史宬は現在修復作業と展示のレイアウトを終え、一般公開をしています。(閣、野谷)