北京
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旧暦4月8日、中国西部と南西部に暮らす少数民族の人々は牛王節(牛に感謝を捧げる祭り)を迎えます。人々は様々な伝統行事を行い、役牛をねぎらい、五穀豊穣を祈ります。今週の「中国メロディ―」は皆さんと一緒に、中国西南部の少数民族の村を訪れた気持ちになって、特色のある民族音楽とともに、この祭りのにぎやかな雰囲気を味わってみましょう。
チワン族の牛魂祭
中国南西部の広西チワン族自治区に暮らすチワン族の人々は古来、農耕文化の伝統と役牛を大切にする伝統的な風習を残してきました。旧暦の4月8日にチワン族の人々が牛の魂を祀る行事を行うことから、牛魂祭とも呼ばれています。
この日は、耕牛を一日休ませるために、飼い主の男は自分で畑を耕し、飼い主の女は牛舎を掃除し、牛に水浴びをさせ、日頃苦労している耕牛の誕生日を祝い、楽しく過ごさせなければなりません。家族全員が牛の背中を撫でながら牛を敬う歌を歌い、役牛への感謝と祝福を表します。
トン族の牛王節
旧暦4月8日の牛王節の日、中国南西部の内陸部にある貴州省九寨地区で暮らすトン族の人々は卵や美味しい酒などで役牛をねぎらいます。主人は牛の頭を優しく撫でて、「牛よ、おまえはうちの宝だ。1年中ご苦労様」と声を掛けます。飼い主に優しく撫でられ、牛も舌を出して主人を舐めることで、飼い主への感謝を伝えているようです。
トン族は歌を愛することで知られ、特に素朴で優美な多声部合唱トン族大歌は世界の民謡芸術の真珠と称えられています。トン族の村に入りますと、至る所でトン族大歌の美しいハーモニーが聞こえてきます。朝、美しい歌声は人々を眠りの中から目覚めさせ、夜、悠々とした 蘆笙の音色は人々を伴って眠りに入ります。
ミャオ族の旧暦4月8日の伝統行事
貴州地区では毎年旧暦4月8日に地元のミャオ族、トン族、チワン族などの人々が民族衣装を身にまとい、さまざまな祝賀行事を行います。男性は蘆笙(ろしょう)などの民族楽器を吹きながら踊り、女性は蘆笙の旋律に合わせて歌いながら踊り、人々は夜を徹して祝日を祝います。青年男女もこの機会に友達を作って意中の人を探します。
特に貴州省では、貴陽市ミャオ族の祝賀行事が最も規模が大きく、盛大な祭りです。毎年この日、何万人ものミャオ族の人々が祝賀活動を行い、非常ににぎわいます。
番組の中でお送りした曲
1曲目 山歌は春の川の水の如し(山歌好比春江水)
男性シンガー李健さんがチワン族の民謡をもとにアレンジしたこの歌は、遠方の旅人が故郷を思う光景を描いています。
歌詞:
川はえんえんとながれる
かつて彼女を通過したことがあるのだろうか?
山道がぐるぐると続いている
あれは私の家だ
戻ってきた雁が夕焼けを渡る
山にも野にも子供時代の花が咲いている
2曲目 蝉之歌(セミの歌)
トン族民謡の代表作です。歌声の中でトン族大歌の魅力を味わいましょう。
3曲目 甜美的苗郷(美しいミャオ族の村)
「ミャオ族の歌姫」と呼ばれるアー・ヨウドゥオさんが歌っていて、ミャオ族の人々の故郷に対する熱愛を表しています。
歌詞:
あの騒々しい世界を忘れましょう
遠方のお客様 お疲れですか
雨風橋でひと休み
甘いどぶろくをごちそうします
さわやかな味わいが心を酔わせる