地下700m!江門ニュートリノ実験の「トランスフォーマー塔」が完成

2022-05-25 13:54:02  CRI

 中国科学院高エネルギー物理研究所によりますと、広東省江門市にある打石山の地下700メートルのところで、中国の二つ目の大型ニュートリノ実験プロジェクト「江門ニュートリノ実験」に向けた建設が急ピッチで進められています。地下700メートルに位置する実験ホールでは、有機ガラスからなる球形のホールを上から下に向けて設置するための昇降プラットフォームが完成しました。頂上までの高さは38メートルあり、巨大なトランスフォーマー塔のように見えます。プラットフォームは次のステップとして、球形ホールの設置に備えています。

新たに完成した昇降プラットフォーム

 江門ニュートリノ実験は、ニュートリノの質量の順序の測定を最も重要な科学的目標とする大型の科学装置です。その核心的な観測設備であるニュートリノ観測機は、地下実験ホール内にある深さ44メートルのタンクの真ん中に位置し、直径41メートルのステンレス鋼製の網状の殻、直径35.4メートルの有機ガラスの球形ホール、2万トンの液体シンチレータ、2万個の20インチの光電子増倍管、2万5000個の3インチの光電子増倍管などの重要部品で構成されています。

新たに完成した昇降プラットフォーム

 新たに完成した昇降プラットフォームは球形ホールを設置するための重要な補助プラットフォームで、その直径と高さは層ごとに変えることができ、球形ホールの取り付けに使われます。作業員らはこのプラットフォームで層ごとに有機ガラスのつり上げや位置づけ、つなぎ合わせなどの工程を行い、最終的に有機ガラスからなる球形のホールの建設を終えます。

 なお、ニュートリノ研究は最もホットな最先端の物理研究です。2012年に大亜湾で第3のニュートリノ振動モードが発見されて以来、日本のスーパーカミオカンデ、米国のDUNEプロジェクト、中国の江門プロジェクトといった世界三大ニュートリノ実験の研究重点は宇宙の物質・反物質の非対称性と3種類のニュートリノの質量順序です。(藍、野谷)

ラジオ番組
KANKAN特集