北京
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23/19
バイデン米大統領は22日、就任後初となる日本訪問を開始する。多くの矛盾が複雑に絡み合い、世界情勢が激変する中、バイデン氏の訪問は、地域情勢を不安定化させるものであり、世界の世論の高い関心を呼んでいる。
国際世論の一般的な認識によると、バイデン氏の訪日の目的は二つある。一つは、政治的な目的で、日米豪印の安全保障枠組み「クアッド」の首脳会合を主宰し、「インド太平洋戦略」を推し進め、「インド太平洋地域」に対する米国の重視と関与を示すことにある。もう一つは経済的な目的で、インド太平洋経済枠組み(IPEF)を発足させ、サプライチェーン(供給網)やデジタルなどの分野で同盟国との良好な協力を強化することだ。その目的を達成するための手段は二つあり、一つは「抱き込み」で、気まぐれな外交策略を繰り返した前政権とは対照的に、バイデン氏はこの地域の同盟国に安心を与えることを望んでいる。もう一つが「押し売り」で、米国の大統領の多くはパフォーマンスに長けた販売員であり、常に自身に有利となる物を相手に無理に押し込むことに努めるが、今回も例外ではなく、IPEFはまさにバイデン氏が押し売りたい商品だ。あるアナリストによると、米国の外交政策の最優先事項は中国封じ込めであり、バイデン氏の今回の訪問は、どのような目的であれ、またどのような手段を講じようと、最終的な目的は、アジア太平洋地域における中国の活動を抑え込み、それに対応し、対中包囲網を構築することにある。
バイデン氏の訪問の目的はこのように明白であるため、当然のことながら中国の強烈な不満を招いている。楊潔チ中央外事工作委員会弁公室主任は、米国に対し、「自分だけの利益のためにアジア太平洋地域各国の根本的・長期的利益を損なういかなる行為も、長くは続かず、通用もしない運命にある。徒党を組み、分裂と対抗を進めるいかなる企ても、その目的を達成することはできない」と表明した。同日には王毅外交部長がより直接的に日本に対し、「歴史の教訓を銘記しなければならない。日本はこれまでの約束を守り、両国間の基本的信義を順守し、中日関係を壊そうとたくらむ勢力をのさばらせず、中国と共に国交正常化からの50年間に得た貴重な成果をしっかり守らなければならない」と強調した。こうした発言から明らかなように、バイデン氏の訪日は日米両国間の問題ではあるが、一緒になって第三国を対象としたり、第三国の利益、特に中国の核心的利益を損なったりするなら、中国は必ず、自身の主権と安全保障上の利益を守るため断固たる行動を取る。
バイデン氏の訪日を巡っては、国際社会からも疑問視する声が上がっている。日本経済新聞は、米国がIPEFを発足させるのは自国の企業と市場を保護するためであり、アジア各国が求める市場開放の期待に応えず、中国に対抗する経済圏をつくるのが狙いであり、ハードルが高いと論じている。また、米国では今後、中間選挙が行われることになるが、バイデン氏の支持率が低迷し、有権者が物価高騰などの現状にますます不満を抱き、怒りすら感じているこの時期に対中包囲網を構築しようとしても、政権にとって何のメリットもないとの分析もある。
対中関係を処理する上で、日米両国の最大の問題は「言行不一致」だ。特に台湾問題において、前足では「台湾独立」不支持を約束し、後ろ足ではさまざまな悪巧みを隠そうともせず、責任ある大国としての誠実さも道義も全く見られない。世界規模で政治が激しく揺れ動き、経済が今にも倒れそうなほどぐらつく中、日米両国が対中関係を抑制的に処理することを選択するかどうか、正直なところ予断を許さない。だが一つ明らかなのは、自身の核心的利益を守る中国の意志は盤石のように揺るがず、抑圧と挑発に対する中国のより強力な対抗措置は「有言実行」ということだ。(CRI日本語部論説員)