【CRI時評】通貨政策を「急転換」、米国は再び危機を全世界に転嫁

2022-05-11 13:24:41  CRI

 米連邦準備制度理事会(FRB)は先週、50ベーシスポイント(bp)の利上げと6月からのバランスシートの縮小開始を発表した。その目的は、急進的な通貨引き締め政策で約40年ぶりの高水準に達しているインフレを抑制することだ。以前のゼロ金利と量的緩和政策によって引き起こされた物価高騰にしろ、現在の通貨政策の強硬な方向転換にしろ、米国はいつも米ドル覇権を頼みとして危機を世界に転嫁してきた。コロナ後の回復に向けて奮闘している新興経済国に与える打撃はとても大きい。 

 FRBの利上げは、米ドル資産の魅力を高め、新興市場からの資本流出と通貨安のリスクに拍車をかけ、多くの国で債務リスクが激増する一方で、米ドル高による他の通貨の下落は、他の国の購買力を弱め、もともと苦しい状況にある発展途上国の経済回復プロセスを乱すことにもつながる。 

 米国の当局者は当初、今回の高インフレを「一時的」と表現し、通貨政策はひたすら緩く、ばらまきを行い、インフレをさらに高水準へ押し上げた。また、ウクライナ危機が発生すると、米国は対ロシア制裁を続け、世界のエネルギー・食糧・産業チェーンに打撃を与え、自国のインフレ圧力を悪化させた。同時に、米国の現政権は前任者の誤った対中関税政策を長い間引き継ぎ、米国人の勘定書に多くの負担を加えてもいる。 

 米国の通貨政策は大きく方向転換したが、市場のムードは相変わらず悲観的だ。米CNNの最新の予測によると、米国経済が今後12カ月にリセッション(景気後退)入りする可能性は33%に上昇している。世界最大の経済大国である米国の経済がリセッション入りすれば、世界経済に極めて大きな影響を及ぼすことになり、これは全世界が常に用心しなければならないリスクだ。 

 注目に値するのは、米国経済が苦境に陥る中、ワシントンの一部の政治家は不適切な対応の責任について反省しないどころか、いつもながらの責任転嫁と論点のすり替えをたくらんでいる。これは米国の国民に対しても、世界に対しても無責任だ。「アメリカ・ファースト(米国優先)」の考えを心に抱くワシントンの一部の政治家は、もっと早くに責任あるマクロ経済政策を講じて、世界経済が一刻も早くパンデミックの中から回復するのに役立つことをすべきだった。(CRI論説員)

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