【観察眼】米国の「コロナ孤児」20万人超、どうか子どもに目を向けて

2022-05-10 17:37:20  CRI

 5月8日の「母の日」に、中国や日本を含む多くの国の人々が、母親に感謝と愛を伝え、家族の団らんを楽しんだことだろう。ところが、「母の日」の発祥地とされる米国では、おそらく多くの子どもが、母親に会えないという悲しみの中でこの日を過ごしたはずだ。

 米月刊誌『アトランティック』がこのほど掲載した記事によると、米国では、すでに20万人を超える子どもが、新型コロナで親や保護者を失って孤児になったという。彼らは「コロナ孤児(COVID Orphans)」と呼ばれており、そのうち、マイノリティ(人種的少数派)の子どもは全体の65%を占めている。保護者を失った黒人の子どもは白人の2.4倍、ヒスパニック系の子どもは白人の2.5倍以上いる。また、北米大陸やハワイなどの先住民族の子どもは、白人のほぼ4倍にも上る。米国社会の人種差別主義という難病がコロナ禍でさらに浮き彫りになり、今度は無数の幼い心を傷つけたと言えるだろう。

 子どもたちは人間の成長過程における最も重要な時期を過ごしており、物質的にも精神的にも、親など家族のケアを必要としている。親を失った子どもは、そうでない子どもよりも悲しみや心の苦しみに敏感であり、それに伴うトラウマは一生つきまとうものになる。

 『アトランティック』の記事も、孤児たちは病気に罹患したり、虐待を受けたり、衣食が不足したり、学校を中退するリスクが高いとされ、ドラッグや犯罪に走る可能性も高まると言及している。その中でも、マイノリティ、特にアジア系の「コロナ孤児」は人種的憎悪の被害に遭う可能性があるという。

 新型コロナが世界の子どもに与える影響を研究する国際チームの責任者、スーザン・ヒリス氏が述べたように、孤児になるということは、「2週間で回復できる」ようなことではない。そして、「コロナ孤児」が増えることは、子どもたち自身の人生に影響を与えるだけでなく、米国社会全体の未来にも多くの不確定要素をもたらす。

 残念なことに、米政府はいまだに、「コロナ孤児」を助ける実質的な措置を何ら講じていない。新型コロナが発生して以来、米政府は数兆ドル規模の救済金を支給しているが、その用途に「コロナ孤児」の支援は含まれていない。バイデン米大統領は「コロナ孤児」の問題について、「数カ月以内に報告書を出す」と述べるにとどまっており、ホワイトハウスのコロナ対策顧問を務めるメアリー・ウォール氏は、「政府は社会の関心を高められればいい。専門の作業部会を設置したり資金援助計画を作成したりすることはない」と表明している。

 子どもは国の将来を担っている。子どもに向き合うということは、国の将来に向き合うことと同じではないだろうか。どうやら米国は自らの未来を気にかけてはいないようだ。彼らは、コロナに苦しむ自国民を無視して、自分たちこそが「民主主義」と「人権」の模範だと声高らかに唱えることにしか興味がない。米政府は自国の子どもを大切にしない政府であり、米国は国民の生命と健康という基本的な権利さえも保障しない国である。

 米NBCの発表によると、5月4日時点で、米国の新型コロナによる死者は100万人を超えた。現在、米国の新型コロナ感染者数と死者数は世界で最も多く、その数は今も増えつづけている。米国の人々が、米国の子どもたちが、かわいそうでならない。「コロナ孤児」を生むような悲劇は、いつまで続くのだろうか。(CRI日本語部論説員)

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