【CRI時評】英国の政治家は自国の問題の管理に専念すべき

2022-05-09 16:20:31  CRI

 現地時間の5月7日、英領北アイルランド自治議会の選挙結果が発表された。北アイルランドの「脱英(北アイルランドを含めた統一アイルランド国家の建設)」を主張するシン・フェイン党が最多の議席を獲得し、101年ぶりに北アイルランド議会を支配するナショナリズム政党となった。シン・フェイン党の勝利が、もがき苦しむ英国政府に新たな難題を突きつけることになるのは疑いないと分析するアナリストもいる。

 英国政府にとっては、北アイルランド政局の変動は現在直面している多くの課題の一つの縮図である。新型コロナウイルス感染症の発生以来、感染拡大防止に対する英国政府の消極的で緩い姿勢は大いに非難されてきた。今年の2月、英国政府が「新型コロナウイルスとの共生=ウイズコロナ」計画の実施を宣言したことで、感染症の状況は急激に悪化し、現状で英国の新型コロナウイルス感染症による死亡者は累計18万人近くに達している。

 それ以外にも、感染症の流行や「ブレグジット」によるサプライチェーンや労働力問題およびエネルギー価格上昇などの影響を受けて、英国経済は数々の困難に直面している。イングランド銀行は5日、英国のインフレ率が今年は10%を上回って40年来の最高水準となり、英国経済は来年には景気後退局面に陥る可能性があると警告した。市場のアナリストは、長期的に見ると「ブレグジット」による英国経済への影響は感染症流行の衝撃よりもさらに深刻なものになると指摘している。

 内外の問題が絶えず顕在化する中にもかかわらず、英国の執政者たちはどうやって状況に応じた処置を施すのかを考えるのではなく、逆に頻繁に対外的に「強さを示す」ことで国内の矛盾をそらそうともくろんでいる。米国と足並を揃えていわゆる「インド太平洋戦略」を推進し、北大西洋条約機構(NATO)の「世界拡大」を鼓吹することや、ロシアとウクライナの紛争において米国に追随して対露制裁を強化したり、さらには香港、新疆、台湾などの問題で中国の内政に干渉したりと、英国の一部の政治家はまさに、「グローバルな英国」のイメージを作り上げ、それによって国内管理における無能さと失敗を覆い隠すためにリスクのある行動をとっている。

 一部の英国政治家は今日に至っても、依然として「太陽の沈まぬ国」の夢に浸っているようだ。内外共に苦境に立っている局面で、英国の政治家は一刻も早く大英帝国の妄想からさめ、自国の「裏庭」の管理に専念すべきである。(CRI論説員)

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