【CRI時評】南太平洋の空をさまよう亡霊は誰なのか

2022-04-29 12:22:47  CRI

 「太平洋の上を亡霊がさまよっている。中国の話ではなく、我々のことだ」。先日、英国の大手紙「ガーディアン」は中国とソロモン諸島の安全保障協力に関する枠組み協定の締結について米国とオーストラリア両国が過剰に反応していることを批判する記事を掲載した。

 オーストラリア側がソロモン諸島に繰り返し高官を派遣して妨害のロビー活動をしたり、米国国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋問題調整官が最近ソロモン諸島を訪問して圧力をかけたりと、米国とオーストラリアのソロモン諸島への脅しすかしと中国・ソロモン諸島協力への中傷は片時もやむことは無い。

 太平洋の主権国家として、ソロモン諸島が中国と協力することが、どうして米国とオーストラリアの強烈な反発を引き起こすことになるのか。根本的には、米国とオーストラリアがこれまでソロモン諸島など太平洋の島国を主権国家ではなく自分たちの裏庭と見ていたからだ。米国とオーストラリアは、太平洋の島国がどこと協力し、どこと協力しないのかを決めるのは自分たちの一存だと考えているようだ。これは本質的に植民地主義、覇権主義の考え方が働いているからだ。

 米国とオーストラリアが省察しなければならないのは、なぜ彼らの力の限りを尽くした破壊の努力がソロモン諸島など太平洋の島国が中国と協力するという意志を阻止できなかったのかということだ。それは、中国とこれらの国々との協力が対等かつ互恵であり、一切の政治的条件を付けず、純粋に現地の生活向上を手伝うものだからだ。新型コロナウイルス感染症の発生後、中国は太平洋の島国に対して積極的な防疫援助を行ってきた。昨年5月、ソロモン諸島は太平洋の島国の中では最初に、全国規模の中国製ワクチン接種を実施した。

 これに対し、米国とオーストラリアは、太平洋の島国の開発志向を正視することなく、地政学的な道具として利用してきたに過ぎない。「ソロモンスター」紙は先日、キャンベル調整官の来訪を激しく非難する記事を掲載し、米国高官の80年ぶりの来訪は、ワシントンからとっくに忘れられていたソロモン諸島に中国との協定破棄を迫ることが目的だと指摘した。

 近年、米国、英国、オーストラリアは3国間安全保障パートナーシップ、いわゆる「AUKUS(オーカス)」を構築し、原子力潜水艦や極超音速兵器など極めて機微な軍事協力を展開している。この動きは南太平洋に非核地帯を建設する努力を損ない、南太平洋諸国を再びブロック政治と軍事的対立の犠牲にしようとするものだ。

 もろもろの悪辣(あくらつ)な行いによって、米国とオーストラリアは南太平洋ではとっくに人々の心を失っている。こうした他国を脅して味方に付け、地域の平和を破壊する亡霊は一刻も早く南太平洋の空から消え去るべきだ。(CRI論説員)

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