【CRI時評】世界は「人権擁護者」の反応を待っている

2022-04-28 10:15:43  CRI

 国連の人権独立専門家14人はこのほど共同声明を発表し、米国政府に対し、凍結したアフガニスタン中央銀行の数十億ドルの資産を解除するよう求めた。この国連システムからの非難と呼びかけは、国際ルールを踏みにじり、他国の人権をほしいままに侵害する米国への糾弾であり、「米国に長い間苦しめられてきた」国際社会の心の声でもある。

 数十億ドルは、ワシントンにとって大した額ではないかもしれないが、戦乱に苦しめられ、国家再建に着手するも財力に乏しいアフガニスタンにとっては文字通り「命を救う金」だ。

 米国は昨年8月、グローバル戦略の調整のためアフガニスタンから慌ただしく軍を撤退したが、アフガニスタン人の血で染まったその手を緩めてはいない。米国の指導者は今年2月、アフガニスタン中央銀行の約70億ドルの在米資産を二分して、半分を2001年の米同時多発テロ(9.11事件)の被害者遺族への賠償に充てるための大統領令に署名した。

 「米国はアフガニスタンを破壊した後、未練のかけらもなく立ち去っただけでなく、アフガニスタンの人々の命を救う金を自分のものとした。まさに現代版海賊行為と呼べるものだ」と鋭く指摘する評論もある。

 古い過ちもまだ償っていないのに、新たな過ちを増やす。ウクライナ危機の最大の推進者である米国は、危機発生から2カ月余りの間に、ウクライナに対して8回の武器供与を許可し、軍事支援総額は約37億ドルに上り、絶えず火に油を注いでいる。ウクライナを搾り干し、ロシアを弱体化させ、欧州を混乱させ、自国の軍産複合体にはもうけさせる。これらはみな米国による手前勝手な計算だ。

 ウクライナから欧州の隣国に逃れた難民は現在、500万人を超えている。欧州における第二次大戦後最も深刻な難民危機に対し、米国の指導者は10万人を受け入れる意向を表明したが、3月に受け入れたのはわずか12人だった。アフガニスタンのある民間団体の代表者は「アフガニスタン危機からウクライナ危機まで、米国は度々世界各地でトラブルを起こし、全世界の多くの問題の張本人だ」と批判している。

 事実が繰り返し証明しているように、絶対的な安全と絶対的な覇権を追求する米国は、世界を波立たせ、世界に災いと動乱をもたらす源だ。国連人権専門家による共同糾弾に対し、聞こえないふりをしてはならない。世界は「人権擁護者」の反応を待っている。(CRI論説員)

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