北京
PM2.577
23/19
中国の魏鳳和国防部長と米国のオースティン国防長官は20日、電話会談を行った。中国側は米国側より約21分早く出したプレスリリースはわずか430文字だった。
そこには、どんな重要なシグナルが込められているのだろうか。
報道文には「中国は米国との大国関係の健全で安定した発展を希望しており、また、国益と尊厳を守らならければならない。米国は中国の決意と能力を過小評価してはならない」と示された。
米国はかつて「中国の決意と能力を過小評価した」。元米陸軍大将のマシュー・バンカー・リッジウェイ氏は回想録『朝鮮戦争』に次のように記している。「マッカーサーとその支持者らは、中国が朝鮮問題で迅速に行動する能力があることを十分に知っていたにもかかわらず、中国人の決意を過小評価していた」。消息筋によると、米軍の政治忠誠度は低いという。いうなれば、米国の将校や兵士と米政府との関係は、雇用者と雇用主の関係程度にすぎない。この関係性は、朝鮮戦争の頃と比べて、何も変わっていない。
報道文には「中米両軍は軍事における相互信頼を高め、対話と交流を強化し、リスクと危機を管理し、実務協力を展開し、両軍関係の正常かつ安定した発展を確保しなければならない」とある。
両軍関係の安定化は、今回の会談が発信した重要なシグナルである。交流があってこそ、戦略的な誤判断を避けることができる。話し合いこそ、中米間の戦略的緊張の緩和、両軍間の危機管理、周辺地域の平和と安定の維持に、前向きな作用をもたらすだろう。
報道文には「台湾問題は適切に処理しなければ、両国関係に破壊的な影響を与えかねない。中国軍は断固として国の主権安全と領土保全を守る」とある。
中国軍の国の主権安全と領土保全を守る意志は断固たるものだ。挑発の度合いが大きければ大きいほど、中国軍の対応も強硬になる。米軍が「台湾独立」勢力を支持しないという約束を果たさなかった以上、中国人民解放軍は「台湾は中国の分割できない一部分である」という事実を実際の行動で証明するだろう。
報道は「オースティン氏は、米国は両国元首の電話会談で得られた重要な合意の履行を推進する意思があり、率直かつオープンな姿勢で軍事分野の交流と協力を強化するという米側の希望を示した。さらに、米国は一つの中国政策を堅持する」と述べたと明らかにした。
米国が本当に両国元首の重要な合意の履行の推進を望むのであれば、中国に対する経済、科学技術への弾圧を直ちにやめ、「日米豪印戦略対話(Quad=クアッド)」やその他の同盟を通じた中国との対立をやめるべきである。
米側が本当に率直かつオープンに中米軍事分野の交流と協力を強化しようとするならば、「中国脅威論」の喧伝をやめるべきである。
本当に一つの中国政策を堅持するならば、米国は「台湾独立」勢力に、誤ったシグナルを発するべきではない。
報道文には「双方は責任をもって競争とリスクを管理し、両軍関係が直面する問題を適切に処理しなければならない」とある。
中米両軍関係は多くの問題に直面している。この2年間では、3つの顕著な問題がある。
一つ目は、米国が南海、台湾海峡でいわゆる「航行の自由」行動を取っていること。
二つ目は、米国航空機が、中国航空機の通常の巡航時に、付近の軍事基地から離陸し、中国航空機を監視していること。
三つ目は、台湾への武器売却問題だ。
問題の核心と責任はすべて米国側にある。いずれにせよ、米国は中国のエンドラインを踏んで、対中関係を発展させることはできない。
最終的には、米国は中国の決心と能力を過小評価してはならないということだ。