【観察眼】至る所に敵をつくるような「普通の国」になることは許されない

2022-04-20 16:07:52  CRI

 日本の複数のメディアによると、日本政府は「国家安全保障戦略(NSS)」などの文書の改定を本年内に予定している。自民党はそれに向けて、中国に関する表現を安全保障上の「脅威」などに強めることや、防衛費の国内総生産(GDP)比を5年をめどに北大西洋条約機構(NATO)並みの2%に引き上げることなどを政府に提言する方針だという。

 日本メディアが明らかにしたところによると、米国、英国、オーストラリアの3カ国はそれぞれ日本に対して非公式に、インド太平洋地域の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」への参加を打診していたという。日本政府は否定しているが、隠そうとしてかえって正体が分かってしまうことをたとえた「ここには銀三百両はない」という中国のことわざにあるように、米国など西側による中国包囲網に加わりたいという日本政府の意図は早くから明白だというのが、世論の一般的な認識だ。

 日本は近年、米国が提唱する「インド太平洋戦略」の実現に協力するため、米国や他の友好国との協調の度合いを強め、そうした国々と共同で中国に圧力をかけてきた。日本はすでに日米印豪の枠組み「クアッド」という「軍艦」に乗り込んでおり、今度はオーカスへの参加打診を暴露された。中国封じ込めのたくらみやサークルのある所ではどこでも日本の活発な姿を見ることができると言ってもいいだろう。

 米国の「インド太平洋戦略」において、日本、インドおよび南海海域周辺の国々はみな、米国による中国封じ込めの潜在的な力であり片棒でもある。米国は、この地域で中国とその隣国との間の衝突をけしかけ、隣国を利用して最前線で中国の台頭を封じ込め、中国の実力を消耗させ、自らは遠くに隠れて扇動・操縦し、最後の段階を待って自ら舞台に出て最小の力で最大の利を得ようとしている。これら「インド太平洋諸国」が大国間の対抗の中で「大砲の餌食」になるかどうかや、そうした国々の利益、さらには生存さえも、米国にとっては考慮することではないのだ。現在のウクライナ危機を見れば、この道理はこれ以上ないほど明白だ。米国は、欧州諸国の利益や当事国であるウクライナの意向さえも顧みず、火に油を注ぎ、NATOの他の加盟国とロシアとの対抗を繰り返しそそのかしている。その目的はただ一つ、全ては「米国の国益」のためだ。

 当然のことながら、一部の日本の政治家はこの道理を理解しており、それでも米国に追随し、米国の意向に従うのは、考えがあってのことだ。日本の一部の政治家は長い間、自国の軍事力を強化するためにさまざまな機会を利用しようとしてきた。さらには近い将来、日本が専守防衛政策を放棄して他国の軍事基地を攻撃する能力を持つことができ、日本を第二次大戦後に形成された体制や束縛から逃れさせて、「普通の国」になることさえも望んでいる。率直に言って、この「普通の国」と現在の日本との本質的な違いは、ためらうことなく大挙して自らを武装し、堂々と他国に武力を行使する実力と権利を持つことにすぎない。日本の軍国主義が第二次大戦中に行ったことや、戦後、特に近年、日本の政界に心から反省する態度が欠けていることを考えると、そのような国になることは、日本国民にとって喜ばしい事ではなく、むしろ将来世代にまで及ぶ計り知れない危険をもたらす可能性がある。

 日本は現在、中国やロシア、韓国、朝鮮などの周辺国とたびたび対立している。最近も、国際社会の強烈な反対を顧みず、福島原発の汚染水の海洋放出を一方的に決定した。種々の誤った行為は、日本国内でも有識者の猛反対に遭っている。至る所に敵をつくり、自分の利益のみを考え災いを他人に押しつける。そのような「普通の国」になることは許されない。(CRI日本語部論説員)

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