かつての洪水の記録に、諸葛亮が植えたソテツ 歴史感じる黄陵庙

2022-04-18 12:01:45  CRI

 わたくし、Aちゃんが久々の出張でやって来た、湖北省宜昌市。長江の下流にある港町で、市街地の中に葛洲ダムが、その40kmほど上流に三峡ダムがあるという立地です。見どころはたくさんありますが、今回は「黄陵庙」をご紹介しましょう。

 黄陵庙は黄牛峡南岸の黄牛山上に建つ、赤い壁と黄色の屋根でできた、三峡で最大かつ最古の古代建築です。禹王を助けて山を拓いた黄牛を記念するため、春秋時代に建てられたので、当初は「黄牛寺」と名付けられました。長い歴史の中で破損し、修繕が繰り返され、主要な建物である現在の禹王殿は明の万歴46年(1618年)に再建されたものです。

 禹王殿には“玄功万古”と“砥定江瀾”という2つの扁額(高い位置に掲げる額や看板)がけられ、36本の巨大な支柱が並んでいます。左手に立つ水文柱の上の木版碑には、1870年に有史以来最大の長江洪水がここまで押し寄せたことが書かれていて、非常に貴重な水文資料となっています。そのほかにも、殿内には数多くの洪水水位を記録した碑刻や水文資料が保管されています。

 また、黄陵庙の中には「千年鉄樹」という鳳尾蕉(ソテツ)があります。これは、後漢末期の黄牛廟再建の際に、かの諸葛亮が植栽したものだと伝えられています。樹高は6.2メートルで、1983年に長江葛洲壩ダムの発電が中断された際に開花し、1993年に再び開花したことが記録されています。1993年といえば、長江三峡プロジェクトが始まった時期です。

 鳳尾蕉(ソテツ)は恐竜のいた時代から地球を見てきた、生きた化石と言われています。その花が咲くのは珍しく、活気がみなぎっていることを示し、縁起のいいことだとされています。

 歴史を感じながら黄陵庙の中をゆっくりと散策ていると、とても穏やかな気持ちになれますね。

 入場時間:8:40~17:30

 入場料金:20元(約400円)

 場所:湖北省宜昌市夷陵区三斗坪鎮黛獅路黄陵廟

 交通:市内の8番バスで『三斗坪』下車、東へ徒歩1キロ

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