北京
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二十四節気の清明は旧暦3月初旬。春風や雨に濡れて万物が生気を帯び、春の耕作や種まきのころです。そのため、中国には「清明前後、瓜を植えて豆を蒔く」ということわざがあります。また、清明は中国人の祖先を祭る重要な祝日で、故郷に帰って亡き親しかった人の墓参りをする習わしがあります。今週の中国メロディーは、清明にちなんだ風習や音楽をご紹介しましょう。
清明節の風習
清明の季節になりますと、うららかな春の光が大地を照らし、至るところで春らんまんの情景を愛でることができます。人々は無地の服を着て、亡くなった人のお墓参りに行きます。お供え物を捧げたり、線香を焚いてお祈りしたり、あるいは花束を捧げて、親しい人への思いをささやいたりします。
しかし、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう現在、自分と家族の安否を守ることこそが、亡くなった人への最高の慰めであり、防疫の第一線で奮闘するスタッフへの最大の支援なのかもしれません。コロナ禍との戦いで、中国各地で医師、ボランティア、警察、公務員を含む381人が勤務中に殉職しています。
これらの人々の尊い命がけの奮闘のおかげで、私たちの平和な生活が守られているのです。平凡で偉大な英雄たちが天国で永遠に安らかに眠ることを祈ります。
凧あげ
清明の季節、春は大地に戻り、人々は寒くて長い冬を経て、重い冬服を脱ぎ、春を迎えて郊外に足を踏み入れました。この時期、凧揚げは屋外スポーツとして広く親しまれています。中国では、たこあげには厄除けや不運が立ち去ることを祈る意味もあります。人々は自分の悩みや憂いを凧に書いて、凧が青空に上がったら糸を切って、すべての穢れた気が風に流れていくことを願います。そのため、民間では他人の不運に巻き込まれないように、人のたこを拾ってはいけないと言われています。
青団子
清明節は中国の重要な伝統的な祝日ですが、グルメ天国中国では、もちろん伝統的なグルメも欠かすことはできません。清明節の頃、中国の江南地方では今でも日本で言う草団子、青団子を食べる習慣が広まっています。青団子はヨモギを使って作られた餅の中に餡子がたっぷり入っていて、とてももちもちしていておいしいです。また、家族の幸せと健康を祈る意味も込められています。そのため、青団子は江南地方の清明節に祖先を祭る必需品になりました。
番組の中でお送りした曲
1曲目 清明雨(清明の雨)
チェロ奏者の李維さんが演奏したチェロ曲で、雨や霧の中から聞こえてくるような繊細な旋律は、亡くなった人への深い思いを表しています。
2曲目 清明(せいめい)
民謡歌手于文華さんが歌う「清明」は宋代の詩をアレンジしたもので、伝統演劇の要素が取り入れられ、中国伝統文化の趣があふれています。
歌詞:
風にはためく柳の糸
空一面に舞う柳絮に包まれる
赤く艶やかな杏の花
清明の小雨に耐えきれず散る
春の夢は鳥の鳴き声に目をさまし
美しい夢は跡形もなく消えた
3曲目 清明上河図
人気歌手・李玉剛(リー・ユーガン)さんが歌った「清明上河図」は宋の時代の有名な絵「清明上河図」をモチーフにしたもので、宋の時代の都の清明節のにぎわいを描いています。メロディーに京劇の節回しの要素を取り入れ、とても美しく、伝統文化の情緒を色濃く漂わせています。