現場直撃!三峡ダム下流でカラチョウザメ23万匹を放流

2022-04-10 18:27:47  CRI

 長江沿いの湖北省宜昌市で4月9日、カラチョウザメ23万匹が放流されました。

 これは、中国農業農村部長江流域漁政監督管理弁公室、湖北省農業農村庁、宜昌市人民政府、そして中国三峡グループが協力して主催した放流イベントです。放流された23万匹はすべて、三峡グループが2009年から繁殖してきた“子二代(人工繁殖2世)”のカラチョウザメで、生後半年の幼魚から13歳の成魚までが含まれています。

 中国長江三峡グループカラチョウザメ研究所の杜合軍博士は、「カラチョウザメは長江水域において重要な生物。その保護は、長江の生態環境の安定にも、海洋の生物多様性の安定にも役立つ。ここ数年は衛星やソナー技術を活用して、マーカーを付けたカラチョウザメを追跡しているが、全体の70%ほどが海に到達していると分かった」と述べました。

 今回の放流イベントにボランティアとして参加した方さん(三峡大学4年生)は、「今日はカラチョウザメの輸送を担当した。長江の環境保全は私たち一人ひとりの責任。今後もこのような活動に参加したい」と話しました。

 カラチョウザメは長江を代表する生き物で、中国国家一級重点保護野生動物に指定されています。20世紀後半に天然個体群の規模が急激に縮小し、2017年から19年まで3年連続で自然繁殖が確認されませんでした。

 こうした事態を受けて、長江沿岸の各省や市は、長江での禁漁など、水生生物の保全に力を入れています。三峡グループは、長江沿岸に4つの希少魚類保護センターを設立して、カラチョウザメを含む10種類の希少魚類の保護と繁殖を進めています。今年までに希少魚類合わせて1000万匹以上が放流されてきました。(取材:王穎穎、王巍)

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