【CRI時評】欧州は再び米国に後ろから刺されないように警戒せよ

2022-03-29 09:17:08  CRI

 バイデン米大統領は3日間の欧州訪問を終えて27日、ワシントンに戻った。米政治専門サイトのポリティコによると、今回の訪問ではウクライナ危機の解決に向けた「いかなる具体的な答えも出さなかった」。むしろ逆に、エネルギーと軍事安全保障に関する米国側の一連の主張では、欧州の当面の急務を解決できないだけでなく、ウクライナ危機の火に油を注ぐことになる。

 米国の指導者はポーランドの首都ワルシャワでの演説で、ロシアのプーチン大統領は「権力の座にとどまることはできない」と口走り、国際社会を騒然とさせた。その後、ホワイトハウスは「釈明」したものの、この「失言」は、ウクライナ危機を利用してロシアを抑止し、欧州連合(EU)を縛り付けて弱体化させ、覇権を維持するというワシントンの真のたくらみをあらわにした。

 これを受け、フランスのマクロン大統領は、フランスの目標は外交手段を通じて停戦と軍撤退を実現することであり、「言葉でも行動でも事態をエスカレートさせてはならない」と強調した。この態度表明は、ロシアとウクライナの衝突への対応において米国と欧州に大きな食い違いがあることを示している。目標が全く異なる中、米国と欧州が表面上どのように団結しても、内部の亀裂をふさいだり食い違いを解消したりすることは不可能だ。

 欧州がエネルギー価格高騰による圧力に耐える中、米国はEUに液化天然ガス(LNG)を売りつけることに没頭している。その意図は、最大の利益を得ると同時に欧州を人質に取ることだ。欧州に刃物で自らを刺すことを迫り、その中から不当に利益を得る。同盟相手にここまでひどい手を打つことができる国は、米国だけだ。

 覇権の論理では、常に「アメリカ・ファースト」のみが存在し、「盟友やパートナー」は存在しない。欧州にとって、真の安全とは、バランスが取れた有効かつ持続可能な安全保障の枠組みを構築することによってもたらされるのであり、東西対抗の境界線を再び引くことによってもたらされるのではない。米国に幾度も刺されてきた欧州は今度こそ、同じ過ちを繰り返してはならない。(CRI論説員)

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