【CRI時評】ロシア・ウクライナ衝突1カ月、「挑発者」の米国がさらに火に油を注ぐ

2022-03-25 09:58:35  CRI

 ロシアとウクライナの軍事衝突は3月24日でまるまる1カ月が経過した。ロシアとウクライナの緊迫した情勢の根源は長年にわたる北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大にあり、西側、とりわけ米国に大きな責任があるというのがますます大きな国際的コンセンサスになっている。

 元凶である米国は日々高まる批判の声に耳を貸さないばかりか、逆に火に油を注ぎ、ロシアとウクライナ双方の闘いが続くことを切望している。

 先日、米国のジョー・バイデン大統領が欧州訪問の途に就いた。米国は、バイデン大統領の今回の欧州訪問はロシアに対する新たな制裁を含む一連の新たな追加措置を詰めるためのものであるとしている。ロシアとウクライナが戦火を交えて現在まで既に1カ月が経過しているが、米国が西側の同盟国を引き連れて制裁をエスカレートし続けていることは、この衝突の炎をさらにたきつけているのに等しく、自らの政権基盤が揺るがないようにという魂胆が露呈したものだ。

 実は、ロシアとウクライナの今回の衝突は、元々は米国があおったものだ。冷戦時代の発想から、米国はNATOの5回にわたる東方拡大を扇動し、多くの東欧諸国を取り込んでロシアの戦略的な生存空間を絶えず侵し続け、ロシアの主権と安全保障上のレッドラインをほしいままに踏みにじってきた。これに対し、ロシアは自国の安全保障に対する強い懸念およびウクライナのNATO加盟への強い反対を明確に表明してきた。だが、ロシアとウクライナの衝突勃発前の米ロ交渉で、米国はNATOの東方拡大がやむことは不可能だと、依然として強硬な態度を崩さず、ロシアとウクライナが戦わないことを恐れて、慌てて導火線に火を付けたことが分かる。

 まさに米国のトゥルシー・ギャバード元下院議員が言ったように、バイデン大統領がウクライナのNATO加盟を受け入れないと保証しさえすればロシアとウクライナ間の戦争勃発を阻止することができたのである。こうした批判的な省察は米国という「戦争の挑発者」にとってはまったく響かず、米国はロシアとウクライナの衝突がますます激しさを増し、漁夫の利を得ることを切望しているのだ。米国が片足でウクライナを戦火に放り込み、続いてロシアには制裁を振り回し、ウクライナに対する軍事支援を強化するという脅しをかけているのはまさにこのためだ。

 米国のジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官が最近、バイデン大統領の欧州訪問について言及した際、ロシアとウクライナの衝突は「容易かつ迅速に収束することはない」と語ったことは注目に値する。これこそが米国が達成したい目的であり、つまりはロシアを圧迫し、欧州を牽制し、軍産複合体を潤わせ、覇権を強固にするという複数のたくらみを実現するためにロシアとウクライナが引き続き戦火を交える事を推進する狙いでもある。(CRI論説員)

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