【観察眼】岸田首相に対する三つの質問

2022-03-23 22:04:05  CRI

 日本の岸田文雄首相は最近になり、インドとカンボジアを訪問した。インドは日本、米国、オーストラリアと共に、4カ国戦略対話(Quad、クワッド)のメンバー国だ。カンボジアはASEANの今年の輪番議長国だ。岸田首相は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のために、この両国との協力を強化すると述べた。日本のメディアはそのようなあいまいな表現をせず、海洋進出を強化しつづける中国を牽制(けんせい)することが狙いと、直接に指摘した。このように中国に公然と矛先が向けられている以上、岸田首相にいくつかの質問をしてみたい。

 まずは、地域の情勢を緊張させつつあるのは誰か、という問題だ。

 日本政府は過去10日間以上にわたり、軍事行動を繰り返した。海上自衛隊は新型潜水艦の「たいげい」の運用を始めた。航空自衛隊は米空軍とステルス戦闘機F-35Aが参加する共同訓練を実施した。陸上自衛隊は米軍海兵隊と共に、離島への上陸訓練を行った。日本の領土または領海では平均すればほぼ毎日、各種の軍事活動が展開されている。中には初めて実施されたものもある。それらの活動の全てが中国を念頭に置いたものであることは、指摘しておかねばならない。

 次に、現在の地域の緊張局面は誰に作られてしまったか、と言う問題だ。

 日本の世論は、東海での中国の船舶や航空機の出没に言及することを好む。中国の海洋監視船や中国海軍が海上での活動を絶えず強化しているのは軍事力の誇示だと称して、危険が迫っているという緊張の雰囲気を作り出し、自らが各種の大規模な軍事行動をする口実を作ろうとしている。しかし忘れてはならない。中日両国の前の世代の指導者が達成した「対立は棚上げし、共同で開発する」との共通認識を故意に破壊し、一方的に現状を変更したのは2012年当時の日本政府だった。日本政府はいわゆる「釣魚島国有化問題」を作り出したことで、中日関係を急転直下させ、極度に冷え込ませてしまったことを、忘れてはならない。日本側のこの危険な振る舞いがあってこそ、中国は断固たる措置をとり、自らの正当な権益を毅然として維持せざるをえなくなったのだ。あらゆることには原因がある。故意に忘却したり逃げることは許されない。

 最後に、首相として国内の民生問題を優先して考慮しないのか、という問題だ。

 日印首脳会談では双方が、「中国による東海と南海での現状変更の試みや経済的威圧に強く反対していく」との考えを示した。このような表明は全く受け入れられない。中日両国は東海を挟んで向かい合っている。東海の問題ならば協議してよい。しかし日本は南海海域の国家ではない。南海の問題は中国など域内国家が友好的な協議を通して解決していくべきであり、日本が口を挟むべき問題ではない。自ら手を下すなど、もってのほかだ。インドは太平洋にすら面していない。南海や東海の情勢には、まったく関係がない。

 日本の外国製品を購入する能力は、日本円が下落すると同時に外国では物価が上昇し続けているために目に見えて低下し、感染症流行の影響を受けていた国民の日常生活に追い打ちをかけた。ところが日本政府はなすすべもない状態だ。まったくもって、一般人の生活は苦しいものだ。つまるところは大多数の日本国民にしてみれば、複雑かつ激烈に変化する国際情勢よりも、さらに関心を持ち渇望しているのは、自分の目の前に良好な経済情勢が出現して、安定して平和な生活を営めることなのだ。(CRI日本語部論説員)

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