中日共同歴史研究委員会第1回会議が、26日と27日の2日間、北京で開かれました。これは、中日国交正常化34周年を迎え、両国の歴史学術界の専門家が始めて作った共同研究会です。中日関係において、敏感な歴史問題について共同研究を行います。この会議の中で、中日双方は、今後の研究活動の主旨、手順、課題などについて討論しました。
隣国同士である中国と日本は、長い友好交流の歴史を有しています。しかし、近代、日本が中国を侵略した過去もあります。歴史問題は、両国関係において重大で敏感な問題です。これまでの経験と教訓に基づいて、両国の政治家と学者は、共同の歴史研究を行い、両国間の歴史に対する客観的な認識を深め、相互信頼を促進する必要があるとの共通認識に達しました。
今年10月、安倍晋三首相は、日本の新首相に就任した直後、中国を訪問しました。この出来事は、これまでの5年間停滞していた政治面の困難な局面を打開しました。両国の指導者は、首脳会談の際、年内に、共同歴史研究を行うことに合意しました。その後、中日それぞれ10人、合計20人からなる共同研究委員会を設置しました。この委員会の中に、"古代史"と"近代史"という二つの部門が設置されました。中日両国は中日交流の歴史や日本の中国侵略の歴史について、輪番制でこの会議を催し、討論を行います。
第一回会議の開会式で、中国側の主席委員、中国社会科学院近代史研究所所長、歩平教授は、「歴史問題は複雑な問題で、意見の食い違いが存在して、当たり前だが、交流と相互理解を通して、双方の距離を縮めることができるだろう」と述べた後、次のように語りました。
「相互理解は、中日が共同歴史研究を行う過程で、終始して貫くべき原則だ。前提として、世界の平和維持、侵略戦争への反対を目標とする。これを踏まえれば、自由な討論ができ、相手の見解を理解することができる。さらに、両国の歴史研究者の間にあるギャップを埋めることができる」
歩平教授は、また、次のように語りました。
「共同研究の第一歩として、各方面の歴史資料を集めていく。資料の真偽を見定め、分析や研究を通して、交流していく」
また、日本側の首席委員、東京大学の北岡伸一教授は、次のように述べました。
「この仕事の必要性を感じている。言い争いは、実際の問題解決にプラスにはならない。中日双方は、事実を尊重し、真剣に考えながら、冷静に対話する必要がある」
中日共同歴史研究は、両国の相互理解を深める上で、新しい道を切り開きました。しかし、この問題の解決は一朝一夕で出来るものではありません。長い時間をかけて、両国が冷静に、学術討論を行うことが求められています。(翻訳:春生)
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