中国の温家宝首相の招きに応じて、日本の安倍晋三首相は8日と9日の両日、中国を公式訪問をしています。
これについて、中国の中日問題の専門家である・阮宗沢氏は、「今回の訪問は中日関係を改善するチャンスだ。両国の指導者が中日関係の将来の発展方向を確立する上で、重要であり、両国の民間友好交流にもプラスとなるだろう」と話しています。
今回の訪問について、阮宗沢氏は「現在、中日両国にとって、最も肝心な問題は、両国の指導者が中日関係をいかに健全かつ友好的方向に発展させるかについて判断することである。要するに、これは、これからの中日関係を発展させる基本的な方針を決め、より大きな建設的な協力関係の雰囲気を作ることだ」と話した上で、「中日双方は共に努力して、今までの政治的な障碍を取り除くことが必要である」と語りました。
この他、中国国際放送局の張国清記者が安倍晋三首相の中国訪問について、日中協会の白西紳一郎理事長にインタビューしました。
白西紳一郎理事長はその際、安倍首相が就任後、最初に中国と韓国を訪問することについて、「安倍総理が今回、総理になって真っ先に中国、韓国を外交に選んだのは、小泉総理政権時代に、中国との政府間の交流において、5年余りにわたって、正式な訪問が途絶えているからだ」と述べました。
そして、朝日新聞は7日の記事で、「首相が北京に入る8日は、中国共産党の年間の最重要行事である中央委員会全体会議の初日で、しかも胡錦涛国会主席、呉邦国全人代委員長、温家宝首相とトップ3が軒並み会談する破格の厚遇ぶりだ」と述べ、安倍氏は中国の厚遇する努力に答えてほしいと呼びかけています。
読売新聞は5日から7日にかけて、「再出発 日中日韓」と題する記事を連載し、今回の訪問は「こじれた関係を修復する好機だ」と指摘しています。また記事は、「日本の首相が初外遊先にアジアを選ぶのは、1992年1月に韓国を訪問した宮沢元首相以来で、さらに異例なのは、政権発足からわずか13日目に外遊日程を組み込むという素早い対応だ。日中、日韓の政治的関係が安定することは双方のメリットに直結する」と述べています。
安倍新内閣にとって、外交における一番重要な課題はアジア外交の立て直すこと。それは多数の日本国民の声でもあります。
共同通信の報道によりますと、日本経済界は中国、韓国とのぎくしゃくな政治関係が経済協力にマイナスの影響を与えることを憂慮し、このような状況をできるだけ速く改善するよう新内閣に求めたとのことです。日本経済新聞29日付けの社説は、東アジアとの経済協力を深めるという安倍首相の方針を評価し、ただし、当面中韓との外交関係を修復することはまず大事だと指摘しています。
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